侍・山田が火付け先頭弾 慣れないDH→二塁起用で好リズム

[ 2017年3月2日 05:30 ]

侍ジャパン壮行試合第2戦   日本9―1台湾プロ選抜 ( 2017年3月1日    ヤフオクドーム )

<台湾プロ選抜・日本>1回無死 山田は左越えに先頭打者弾を放つ
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 侍ジャパンの山田哲人内野手(24=ヤクルト)が1日、台湾プロ選抜との壮行試合第2戦で初回に先頭打者本塁打を放った。開幕前の実戦3試合目で待望の侍ジャパン初アーチ。打線を活気づけ、9―1の大勝に導いた。これまでのDHでの出場から初めて二塁でスタメン起用され、2年連続トリプルスリーを達成した実力を発揮した。

 2年連続トリプルスリー男が目覚めた。山田が実戦3試合目で初めて二塁で先発出場し、初回に先頭打者アーチ。阪神、DeNAでプレーした鄭凱文(ジェンカイウン)の真ん中に入った2球目の141キロ直球を左翼テラス席に運んだ。

 「感触は良かったのでいくかなと思った。感覚的なものだけど、だんだんしっくりきている」

 過去2試合は菊池が二塁で先発出場。山田は「1番・DH」で出場したが、計8打数1安打とバットは湿った。守備の時間帯にベンチにいることから調整法が難しい。この日はヤクルトでの定位置につき、5度の守備機会で軽快にボールをさばいた。「普段はDHをなかなかやっていない。二塁をやってリズム良く入れた」と、水を得た魚のように躍動した。

 ヤクルトで10本放っている先頭打者弾は、侍ジャパンでは初。小久保監督の思いが実った。「勝つために山田の状態が上がってこんと、このチームはきついと思っている」。不可欠な打線の軸だからこそ、過去2戦いずれも3安打と打撃好調の菊池をあえて二塁から外した。指揮官も現役時代に不慣れな指名打者で出場した経験があるだけに、苦労は理解できる。普段着を与えて目覚めさせる狙いが的中。試合後に「1本出て(調子の底を)抜けるかなと思ったけど、その後の打席が良くなかったので」と合格点を与えなかったのは、期待の大きさの表れだ。

 山田は「家族や友達が活躍を喜んでくれるのが大きな力になる」と常々話す。感謝の気持ちを込め、昨年末に両親へ時計をプレゼントした。1月11日に誕生しためいも力の源だ。2月の春季キャンプ前に帰省した際に初対面し、「力が強いなぁ」と笑顔でずっと抱っこ。温かい時間を過ごした。

 山田の先制パンチで勢いづいた打線が9得点の快勝で初白星。WBCでは二塁でもDHでも、けん引車の役目を果たすつもりだ。「残りの試合でコンディションをMAXにして、東京ドームで暴れたい。心を一つにして世界一をつかみたい」。声は弾み、表情は輝いて見えた。 (平尾 類)

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2017年3月2日のニュース