秀岳館・鍛治舎監督、今月限りで退任か 昨年甲子園春夏4強

[ 2017年3月2日 09:00 ]

秀岳館の鍛治舎監督
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 第89回選抜高校野球大会(3月19日から12日間・甲子園)に出場する秀岳館(熊本)の鍛治舎巧監督(65)が、今月末日で退任する可能性があることが1日、分かった。昨年に同校を春夏連続で甲子園4強に導いた手腕を惜しみ、野球部員の保護者が続投を望む嘆願書を学校側に提出するなど異例の事態となっている。

 この日、熊本県八代市の同校で行われた卒業式後、中川静也理事長兼校長(86)は「(監督としては)一つの区切りが3年間で、あと2年は一つの応援として携わる。監督ではないが指導に携わっていただければ」と発言。学校側は4月以降は監督としての契約を結ばない旨を通告し、後任は前監督の久木田拡吉教諭(51)を軸に調整を進めている。学校側が交代を求めた背景の一つに、4月に着工される新校舎の総工費、また液状化したサッカー部のグラウンド改修費、6年後の創立100周年記念事業など逼迫(ひっぱく)した財政問題があるとみられる。

 甲子園でNHKの解説を務めた鍛治舎監督の野球理論に中川理事長が心酔したのがきっかけで交流が生まれ、鍛治舎監督は14年4月に「野球人生の最終章」と、パナソニック専務の職をなげうって就任した。卓越した育成手腕で全国レベルへの強化を実現。「3年で日本一」を公言し、今年は集大成の年だった。

 鍛治舎監督は学校側との埋めがたい深い溝を感じながらも、この日「進退は自分で決めます」と語るにとどめた。

 ◆鍛治舎 巧(かじしゃ・たくみ)1951年(昭26)5月2日、岐阜県生まれの65歳。県岐阜商3年時の69年春に甲子園で8強入り。早大では5季連続で打率3割以上を記録し、日米大学野球で日本代表の4番も務めた。松下電器(現パナソニック)入社後、75年ドラフトで阪神から2位指名を受けるも入団拒否。81年に現役を引退し、87〜91年まで同野球部監督。中学硬式野球チーム「オール枚方ボーイズ」の監督も兼務し、日本一に12回輝いた。

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2017年3月2日のニュース