則本が…牧田も…小久保J心臓部投壊計7失点、WBC開幕前連敗は初

[ 2017年3月1日 05:30 ]

侍ジャパン壮行試合第1戦   日本5―8台湾プロ選抜 ( 2017年2月28日    ヤフオクドーム )

<日本・台湾プロ選抜>3回1死一塁、王柏融(後方)に逆転2ランを浴びた則本は舌をペロリ
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンは28日、ヤフオクドームで台湾プロ選抜と壮行試合第1戦を行い、5―8で敗れた。先発の則本昂大投手(26=楽天)が3回3失点で、2番手の牧田和久投手(32=西武)が2回4失点。投手陣で大きな役割を担うべき2人が炎上した。開幕前の調整試合で連敗したのは、4度目の大会で初。侍、大丈夫か――。

 小久保監督は「選手を信じています」の言葉で敗戦によるチームの影響を打ち消した。

 「台湾の打者は非常に振れていた。ただ則本もカットボールは今年からだし、試したことがあると思う。結果はそこまで気にしていない。勝つことに越したことはないが、(開幕戦となる)7日にしっかり上げていくことを最善に考えたい」

 言葉はそうでも、ショックは計り知れない。投手陣が17安打8失点と打ち込まれた。それも、当確メンバーとして昨年11月の強化試合での招集を見送ったほど信頼する則本と牧田が炎上した。

 則本は3回6安打3失点。総じて制球が甘かった。新球カットボールについても「どういう使い方ができるのか捕手と話し合っていかないと」と神妙に話した。日本選手と狙い球が違う外国チーム相手に、どう配球していくべきなのか。課題が浮き彫りとなった。

 武器にしたいカットボールは初回、4番の彭政閔(ポン・ジョンミン)に中前打された。初回で被安打4。ペースをつかめず、2―1の3回1死一塁では王柏融(ワン・ボーロン)に甘く入ったスライダーを打たれた。バックスクリーンへ消えた逆転2ラン。昨年、台湾プロ野球で歴代最高打率・414を記録した左打者との対戦を「違う配球もあったかもしれない」と反省した。

 先発、救援でのフル回転が期待される則本に続き、2番手で登板した牧田も持ち前の緩急が通じず、2回6安打4失点と打たれた。チーム唯一の前回大会経験者で、小久保監督が「困ったときの牧田」と守護神起用も検討するアンダーハンド。2人はいわば、投手陣の心臓部だ。本来なら大会前最終登板の予定だった則本について、指揮官は「本人が希望するなら(今後の調整試合で)投げさせたい」と話した。

 昨年11月の強化試合でも4戦で29失点と炎上した投手陣。いかに調整段階を強調しても、世界一奪回を目指す日本が、代表から外れた選手で構成されたアジアのチームに力負けした事実は他国に自信を持たせることにもつながる。

 本大会まで残りの実戦は3戦しかなく、外国チームとの対戦は3月1日だけ。エースの菅野が先発する試合で、負の流れを断ち切れるか。

 「7日にいい状態に持っていくために無駄な試合はない」と小久保監督。選手が状態を上げることを信じることはもちろんチーム全体で危機感を共有する時だ。 (倉橋 憲史)

 ▼牧田(2回4失点)タイミングがしっくりこなかった。投げ急ぎと、狙いすぎで、強い球を投げることができなかった。修正したい。

 ▼権藤投手コーチ(8失点の投手陣に)相手にいい振りをされた。(3安打した)菊池みたいなのがたくさんいた。

 ≪五輪代表でも連敗なし≫侍ジャパンは5―8で台湾プロ選抜に敗戦。2月25日のソフトバンクとの練習試合も0―2で敗れており、2戦連敗となった。WBC直前の壮行試合等で2連敗は今回が初めて。なお、WBC開催中での練習試合で2連敗は06年1次ラウンド終了後の3月9日レンジャーズ戦(●4―8)、同10日ブルワーズ戦(●4―5)で記録。五輪ではプロが参加した00年シドニー、04年アテネ、08年北京と直前の試合で2連敗はなかった。

 ≪WBC前8失点は最多≫WBC前の8失点は09年2月28日西武戦、13年2月17日広島戦の7失点を上回り最多。この日の被安打17はプロ参加の日本代表では08年北京五輪直前のセ選抜との強化試合で喫した16を上回るワーストになった。

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