今季は「89年組」の挑戦に注目

[ 2017年3月1日 09:30 ]

(左から)巨人・小林、オリックス・小田、ロッテ・鈴木
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 2月1日にスタートしたプロ野球の春季キャンプも各球団はほぼ打ち上げたが、WBCイヤーの2017年シーズンは3人の「89年組」の“挑戦”に注目したい。

 まず1人目は、今季から担当している巨人から。侍ジャパンの一員としてWBCでは世界一奪還に向けた戦いに挑む4年目・小林誠司捕手だ。絶対的な正捕手が不在の巨人において、もっともレギュラー捕手に近い存在。とはいえ、本人も「アピールする立場」と自覚しているように、まだ地位を確立したとまでは言えない。1月のグアムでの自主トレでは、大先輩の阿部に弟子入り。キャッチングや送球、配球などの守備面だけでなく、打撃でも多くの金言を授かった。チームが上位争いを繰り広げるためには、守備の要となる捕手の固定が不可欠。WBCでの戦いぶりと合わせ、シーズンでの「挑戦」から目が離せない。

 2人目はオリックスの小田裕也外野手。3年目の今季は並々ならぬ決意を抱いている。右翼の絶対的レギュラーだった糸井が阪神にFA移籍。攻守の大黒柱だっただけに、「ポスト糸井」を発掘できるかが、シーズンの成績を左右すると言っても過言ではないだろう。控えに甘んじていた小田にとっては、千載一遇のチャンスが巡ってきた。「こんなチャンスは野球人生で一度あるかないか。何としてもレギュラーをとってみせます」。もともと守備と走塁には定評があるだけに、あとは打力を向上させれば可能性は十分にある。さらに、巨人・小林とは日本生命の元チームメートで「あいつも頑張ってますからね」と大きな刺激を受けているようだ。球界きってのイケメンで、出場機会が増えれば人気が爆発しそうだ。

 最後はロッテのキャプテン・鈴木大地だ。昨季はパ・リーグ遊撃部門のベストナインを獲得したが、キャンプイン直前に今季から二塁にコンバートされることが決まった。異例の配置転換だが、極めて前向きに捉えている。「やるからには二塁のベストナインに挑戦します。新たな目標を持つチャンスを与えていただいた。今回のコンバートが、自分の野球人生にとっていい意味で転機になったと言えるようにしてみせます」。石垣島キャンプではチームの誰よりも練習を積んだ自負がある。オリックス・小田とは東洋大のチームメートで、巨人・小林とは大学時代に日本代表でともにプレーした経験がある。

 1989年生まれは今年で28歳となり、選手としては「中堅」と呼ばれる域に差し掛かりつつある。侍ジャパンの中心選手でもある日本ハム・中田翔や巨人・菅野智之らと同世代の「89年組」には、今年のプロ野球を大いに盛り上げてもらいたい。(記者コラム・重光晋太郎)

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2017年3月1日のニュース