菅野 豪州斬り武器はワンバン縦スラ「意図的に投げました」

[ 2017年2月28日 05:30 ]

ブルペン投球を行う菅野
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 仮想オーストラリアだ!侍ジャパンの菅野智之投手(27=巨人)が27日、「大トリ」でブルペン入り。疲労などを考慮し、4日間の宮崎合宿中は投球練習を行わなかったが、福岡に移動する前に60球を投げ込んだ。1次ラウンド第2戦となる3月8日のオーストラリア戦(東京ドーム)を想定し、スライダーをあえてワンバウンドさせて、腕の長い外国人打者対策を講じた。チームは28日から台湾プロ野球選抜との壮行試合2連戦(ヤフオクドーム)に臨む。

 スライダーが大きく変化してワンバウンドした。1球ではない。10球のうち、4球も。制球力抜群の菅野にしては異例の光景だが、実はこれこそが狙いだった。

 「意図的に縦気味(の軌道)に投げました。より実戦を意識したブルペンにしようと思った」

 途中から村田バッテリーコーチが左打席に立つと、思わず腰を引くほど膝元を攻めた。そして、右打席に立つと、大きく逃がした。「一番信頼している」スライダーを自在に操った。

 見据えるのは3月8日のオーストラリア戦。小久保監督は1次ラウンドの先発は公表していないが、菅野は「特にオーストラリアは左にプルヒッターが多い。自分に入ってくるボールを意識してくると思うので、そこから落としていけば、振ってくる」と、イメージを膨らませた。腕が長い外国人打者に対し、引っ張り狙いの左打者には膝元を攻めることで、窮屈なスイングを誘発できる。一方、「甘くなると引っかかってホームランがある」右打者にはより遠く、より低く――。今季初実戦だった22日の楽天との練習試合(沖縄セルラー)では見せなかったスライダーだった。

 本番前最後の実戦登板となる3月1日の台湾プロ選抜戦に向け、シーズン同様に2日前のこの日にブルペン入りした。4日間の宮崎合宿では投球練習せず、福岡への移動日だったこの日に投手陣の「大トリ」で計60球。小久保監督も室内練習場に足を運び「モノが違いますよ」と全幅の信頼を寄せた。権藤投手コーチから「前に飛ばないから、ストライクゾーンにアバウトにいってもいいぞ」と助言されるほど、ハイレベルな内容だった。

 誰もが認める侍ジャパンのエース。菅野は外角に構えたブルペン捕手に「もう少し(外に)寄ってください」と要求する場面もあり、完全に侍モードに突入した。「(本番まで)あと1週間ぐらい。本当にいろんなことを想定してやっていかないといけない」。2大会ぶり世界一へ、着々と準備を進めるその姿は頼もしかった。 (神田 佑)

 ▽オーストラリア代表のメンバー 野手には現役大リーガーがおらず、国内リーグでプレーしている選手が中心。左打者では元ヤクルトのデニング、13年大会で11打数5安打と活躍したウォーカーら、右打者では10〜12年にメジャー通算8本塁打を記録し、09年大会でキューバ代表のチャプマン(現ヤンキース)から二塁打を放ったヒューズらがいる。一方、投手陣の軸として期待されたヘンドリックス(アスレチックス)はシーズンへの調整を優先して1次ラウンド不参加を表明した。

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2017年2月28日のニュース