楽天ドラ4菅原「消える」スライダーで開幕1軍見えた

[ 2017年2月27日 05:30 ]

練習試合   楽天6―4西武 ( 2017年2月26日    春野 )

<西武・楽天>力投する楽天・菅原
Photo By スポニチ

 楽天のドラフト4位・菅原秀投手(22=大体大)が26日、西武との練習試合(春野)に3番手で登板し、2回を無安打無失点4奪三振と好投した。梨田昌孝監督(63)が「消える」と表現する縦に曲がるスライダーをウイニングショットにして、全て空振りでの三振。実戦3試合で計5回を無失点に抑えている新人右腕が、開幕1軍に大きく前進した。

 面白いように、バットに空を切らせた。菅原は7回に登板すると、いきなり2者連続で空振り三振。失策で走者を出したが、5番の岡田も同様に仕留めた。決め球は全て縦のスライダーだ。「学生の頃から、この球種には自信がある」と8回にも山川を斬り、4三振は全て空振りで奪った。

 決め球が生きるのも、直球が走ってこそ。この日の最速は自己最速にあと1キロに迫る151キロで「この時期にしては速い」と手応えを口にする。腕の振りが速いからスライダーも縦に鋭く曲がり、山川がワンバウンドでも振る場面があった。実戦3試合で計5回を無失点。三振は7個と「ドクターK」ぶりを披露し、与田1軍投手コーチは「あれだけ腕を振れるのは長年プロにいても難しいが、新人でできている」と絶賛する。梨田監督はスライダーを「消えるような球」と評し、「いい投げっぶり。まずは合格」と中継ぎ陣に割って入ることを期待した。

 大体大時代は大先輩の上原(カブス)がつけて以来となる背番号19を引き継いだ。だが野球に身が入らず、2年夏から3年まではいわゆる「幽霊部員」だった。ある時、上原を特集したテレビ番組を見た。「試合後に超音波を当てていた。ぎりぎりの状態で投げているのを知って、凄い人の背番号をつけていると思った。そこからは、真剣に取り組んだ」と言う。4年から打ち込み、プロ入りも成し遂げ、入寮時には大体大時代の19番のユニホームを持ち込んだ。

 1月15日には大体大野球部の創部50周年記念式典で上原と対面。「プロは結果が全て。周りに流されず、やるべきことをしっかりやってください」と激励を受けた。「開幕1軍をつかみたい」と言う22歳。背番号は45に変わったが、大先輩の言葉通り、目標に向けてこの日も「結果」を出した。 (黒野 有仁)

続きを表示

2017年2月27日のニュース