阪神・北條 バース以来球団34年ぶり!オープン戦開幕戦2発

[ 2017年2月26日 05:30 ]

オープン戦   阪神11―3日本ハム ( 2017年2月25日    名護 )

<日・神>3回1死一塁、北條が左中間に2ランを放つ
Photo By スポニチ

 阪神はオープン戦の開幕戦で昨季の日本一軍団である日本ハムと対戦し16安打11得点で大勝。「1番・遊撃」で先発した北條史也内野手(22)は3回にチーム1号となる決勝の先制2ランを放つと8回にもソロアーチ。球団では、1983年のバース以来、34年ぶりとなるオープン戦初戦で2本塁を記録した。

 自信が確信に変わった…かもしれない。本格的な球春到来を告げるオープン戦の開幕戦。北條のバットが、名護市営球場に詰めかけた虎党の度肝を抜き、超ド級のインパクトを与えた。

 「(1本目は)センター方向を意識していて、風に乗ってくれました」

 まずはパワーを誇示した。3回1死一塁、カウント1―1からメンドーサの外寄りツーシームを鋭く振り抜いた打球は、バックスクリーン左の最深部へ飛び込む推定飛距離130メートルの先制2ラン。11得点への号砲を鳴らした。

 「2本目は真っすぐ一本に絞っていて…風ですね。スイング自体は良くなっているので、これを継続したい」

 6点リードの8回無死では、技ありの一撃も披露した。井口の内寄り直球を、腕をたたんですくい上げた。高々と舞い上がった打球は、長い対空時間の末に左翼ポール際に着弾。オープン戦初戦における球団の個人2本塁打は、のちに「史上最強助っ人」と称されるバースが来日1年目の83年に記録して以来、実に34年ぶりの快挙となった。

 「(昨年)秋季キャンプから振る量はこなしてきているし、今キャンプでも振っている。でも、まだまだ。打つ方は波があるので(調子が)良い時にしっかり形を作っていけるようにしたい」

 金本監督の指導の下、精力的にウエートトレーニングにも取り組み昨春キャンプイン時で比較すると体重は5キロ増の84キロ。体幹、下半身が見違えるほど太くなった。加えて昨秋から飛距離アップを目指し通常より約10センチ短い短尺バットを導入。侍ジャパンの4番を務めるDeNA・筒香も採り入れる練習法で体全体を使って振るスイングを目指してきた。その成果の一端が、この日のアーチだった。

 「2本目の方が良い形で打ったかな。風にも助けられたと思うけど。元々、良い角度を持っているからね。彼もそこ(長打を打てる打者)を目指してやっている。1年前に比べたら、かなり振る力が付いてきている。スイングスピードも上がってきていると思うよ」。愛弟子の躍動に金本監督も満足げにうなずいた。

 この日は指揮官に指導されたスタンスを狭める打法は意識しなかった。「練習ではやっていますが、試合では意識せずに振っています。投手と戦っているので」。臨機応変に自主性も発揮するのが北條の流儀。将来的に「打率3割15本」の期待を受ける男。その可能性を、十分に感じさせる2本塁打だった。(惟任 貴信)

続きを表示

この記事のフォト

2017年2月26日のニュース