人的補償DeNA平良 古巣巨人斬り5回0封「100点に近い」

[ 2017年2月26日 05:30 ]

オープン戦   DeNA5―3巨人 ( 2017年2月25日    沖縄セルラースタジアム那覇 )

<巨・D>古巣巨人相手に5回を5安打無失点と好投した平良
Photo By スポニチ

 プロ野球のオープン戦は25日、沖縄県内で4試合を行い開幕。DeNAは平良拳太郎投手(21)が古巣・巨人を相手に、5回5安打無失点、4奪三振と好投した。昨オフ、DeNAからフリーエージェント(FA)宣言して、巨人に移籍した山口俊投手(29)の人的補償で加入した沖縄出身の右腕が、地元で躍動。4年目のプロ未勝利右腕が開幕ローテーション入りへ、猛アピールした。

 果敢に内角を突いた。3点を先制してもらった直後の4回2死、平良は村田を2ストライクと追い込んだ。3球目。136キロの直球が、内角低めに構える嶺井のミットに吸い込まれる。見逃し三振。控えめな性格の右腕が小さくうなずいた。

 「自分の理想のボールが捕手に届いた。しっかりと腕を振って、インサイドをうまく使うことができた。今日は100点に近いくらい。ホッとしています」

 最速144キロながら、低めに球を集めて要所で内角を使った。唯一のピンチだった5回1死一、二塁では立岡をシンカーで二ゴロ併殺。5回5安打無失点で4三振を奪った。篠原投手コーチは「内角を攻められたし、ボールが高くいくことがなかった」と称え、好投の要因を口にした。

 FA移籍した山口俊の人的補償として加入した21歳には、特別な思いがあった。高校以来の地元・沖縄での登板。しかも古巣・巨人が相手で、同期入団の田口との投げ合いだ。昨季まで3年間でわずか1試合登板。昨季10勝を挙げた左腕に「お手柔らかにお願いします」と無料通信アプリ「LINE(ライン)」を送った。平良は「緊張していた」と打ち明けたが、「最初の1年はファームで一緒だったけど、差をつけられた。しっかりと追い上げたい」とライバル心も忘れなかった。

 現時点で先発枠で確定しているのは石田、今永、井納だけ。実戦2試合で7回1失点の新戦力に、ラミレス監督も「今までもいい働きをしているし、(先発枠入りは)近づいてきている」と期待を寄せた。それでも平良に油断はない。「先を見過ぎずに、一試合一試合結果を残していきたい」。新天地で未勝利右腕の花が開きそうだ。 (中村 文香)

 ≪平良拳太郎(たいら・けんたろう)≫

 ☆生まれ 1995年(平7)7月12日、沖縄・今帰仁村生まれの21歳。

 ☆球歴 今帰仁ジュニアで野球を始め、今帰仁中では軟式野球部に所属し、エースとして全国大会3位。北山(沖縄)では1年からベンチ入りし、最高成績は3年春の九州大会8強。甲子園出場はなし。13年ドラフト5位で巨人に入団。17年1月に巨人へFA移籍した山口俊の人的補償としてDeNAに加入した。

 ☆プロ初登板 昨季4月7日の阪神戦(東京ドーム)で先発し3回2/3を4失点で敗戦投手。1軍登板は1試合だけ。

 ☆投打とサイズ 右投げ右打ち、1メートル80、76キロ。

 ☆趣味 読書。

 ☆好きな食べ物 乳製品などの嫌いな食べ物以外の全て。

続きを表示

この記事のフォト

2017年2月26日のニュース