侍J “筒香の後”5番中田ブレーキ…小久保監督「信頼」変わらずも

[ 2017年2月26日 05:33 ]

2017侍ジャパンオープニングマッチ   侍ジャパン0―2ソフトバンク ( 2017年2月25日    サブマリン宮崎 )

<侍ジャパン・ソフトバンク>4回無死一塁、遊ゴロ併殺打に倒れ肩を落とす中田
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 3月開催の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの今季初実戦となる「2017侍ジャパンオープニングマッチ」が25日に行われ、打線が散発4安打と沈黙してソフトバンクに0―2で零敗を喫した。「5番・一塁」で出場した中田翔内野手(27)は、好機で凡退するなど3打数無安打と振るわず、日本ハムでの実戦から13打数無安打。得点力アップの鍵を握る「筒香の後」を務める中田が低迷すれば、世界一奪回も厳しくなる。

 観衆2万7003人からも大きなため息が漏れた。世界一奪回を目指した侍ジャパンの今季初戦は散発4安打の完敗。コンディションを上げる調整段階とはいえ、言葉を選ぶ小久保監督の表情も厳しくなった。

 「試合内容はファンの方に納得してもらえるものではなかった。(状態の)いい選手もいれば、悪い選手もいたということです」

 不動の4番に決まった筒香が1安打2四球と全3打席で出塁したが、その後ろを任せた中田がブレーキだ。初回2死一、二塁の先制機は、外角低めのスライダーを遊ゴロ。4回無死一塁の遊ゴロ併殺はボール球に手を出した。7回無死一塁での中飛は内角直球に差し込まれた。打点どころか、チャンス拡大もできず、試合後の特打では稲葉打撃コーチから「ボールを長く見る時間をつくろう」と助言を受け、身ぶり手ぶりを交えて意見交換も行った。

 日本ハムでの実戦から計6戦で13打数無安打。指揮官は「日本ハムの実戦からヒットが出ていないみたいだが、あと10日で(状態を)上げるでしょう。彼が打たないと話にならない」と言った。本大会では、筒香が徹底マークにあうことが予想される。おのずと「筒香の後」の5番打者に好機は数多く回る。得点力アップの最重要ポイントとなることは、誰しもが分かっている。

 中田は「こんなもんじゃない?寒いし。特打にしてもいい感じでできている。(結果は)全然気にしていない」と平静を装う。20日の沖縄・名護キャンプ中のフリー打撃で「右肘の“抜け”が悪い」と、右肘を高く上げる構えを取り入れ、スムーズなスイングに手応えは得ている。キャンプ中に痛めた左手首の状態も日に日に良くなっており、中田の言葉を信じて待つしかない。

 小久保監督は「信頼?もちろんです。基本的にクリーンアップはいじらない」とあくまでも目覚めを待つ構えだ。3月7日の侍ジャパンの初戦となるキューバ戦(東京ドーム)まで10日を切った。一昨年の「プレミア12」で、筒香の後を主に務めて、中田は打点王となった。その爆発力なくして、世界一奪回への道 は開けてこない。(倉橋 憲史)

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