ヒヤリ打球直撃も糸井やはり超人「硬球は硬くて痛い。収穫や」

[ 2017年2月22日 05:35 ]

糸井は打撃練習中の福留の打球が右腕に当たり抑える
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 新たな“超人伝説”が生まれた!?阪神・糸井嘉男外野手(35)が沖縄宜野座キャンプ第5クール初日の21日、外野をランニング中に福留孝介外野手(39)のフリー打撃の打球を右腕に受けた。周囲を騒然とさせた打球直撃のアクシデントに対して「硬球は硬くて痛い。収穫や、勉強になった!」と“糸井節”をさく裂。症状も打撲で済ませ、打撃練習を強行しようとしてトレーナーに制止された。超人ぶりを見せつけ、当事者の福留にも「“糸井さん”なら大丈夫でしょう」と言わせた。

 まるで超人の真価を試すかのような野球の神様からの“いたずら”だった。舞台はフリー打撃真っ最中のメイン球場。外野のポール間を走っていた糸井が右中間付近に差しかかった時だ。火を噴くようなライナーに襲われた。打球は失速することなくフェンス際まで一直線。打球を放った福留からの「おーい!」という注意喚起の声も実らず、ノーバウンドで右腕に受けた。

 痛みをこらえるように立ちすくんだ姿に打った福留を含めて球場内は一時騒然になった。すかさずチームドクターや複数のトレーナーがベンチを飛び出し、状態の確認へ走った。常人なら病院直行だったかもしれない。糸井は違った。倒れ込むでもなくトレーナーを手で制した後、軽く走りながら左翼側の出口から外へ出てサブグラウンドへ移動した。

 再度、トレーナーから“診断”を受けると、何事もなかったかのようにトレーニングを再開。打球直撃からわずか10分間の光景だった。軽めのジョギングや150メートルダッシュ6本を消化。時折スイングするしぐさを繰り返しながら右腕を少しだけ気にする様子を見せただけ。報道陣に対しても豪快に笑い飛ばした。

 「硬球は、硬くて痛い。収穫や。勉強になったわ!」。状態を心配する声に予想もしない答えを返すと、さらに「左や!」と直撃場所をうそぶいた。幸い骨などには異常はなく、打撲で済んだ。それすら鋼の肉体のなせる技だろう。

 担当の本屋敷トレーナーによれば、アクシデント後も当初予定通り屋外でのフリー打撃を強行する意思さえ示していたという。「打撲だったので、やればやるほど腫れるので(打撃練習は)止めた。本人はやりたいと言っていたけど、無理することはない」。制止されなければ、何事もなかったように普通に打っていたというから恐れ入る。当たり前のように病院などには行かなかった。

 現場を見ていなかった金本監督は大事に至らなかったことを「もちろん」と安心した後に笑った。「誰の打球が当たったの?それは痛いかもな」。規格外の心身を知るからだろう。当事者の福留も「“糸井さん”なら大丈夫でしょう」と敬意!?を寄せた。右膝関節炎で別調整中は続いていても、超人の星の下に生まれた男は常に話題の中心にいる。 (久林 幸平)

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2017年2月22日のニュース