【石井一久の目】正義本人も自覚 課題は変化球の精度

[ 2017年2月20日 10:10 ]

ソフトバンク紅白戦   白組6―8紅組 ( 2017年2月19日    アイビー )

紅白戦に登板し2回1失点の田中
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 ソフトバンク・田中の本来の実力からすれば、まだまだだろう。ただ、「開幕まで1カ月半近くある」という段階での出来としては上々と言える。

 指にかかった時の球の強さはさすがで、この日もファウルをしっかり取れていた。特に左打者の内角低めは威力十分だった。球速も152キロが出ていたが田中の一番の長所は球の速さよりも、球の強さ。それを証明することができたので、あとは指にかかる球のパーセンテージを上げていけばいいからだ。

 課題を挙げるなら、変化球。決め球のフォークは、捕手のミットが上を向いてつかんでいる落差だった。つまり打者の膝よりも上近辺。ミットが下を向くように変化球を低めに集められるようになれば、ピンチを迎えても脱出方法が増える。

 登板後に田中と話したが、変化球の精度というのは本人も自覚しており冷静に自分のことを分析できる投手だと思った。これはプロで活躍するには大事な資質。開幕まで、まだまだ上がり幅があると感じさせる初実戦だった。 (スポニチ本紙評論家)

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