阪神・糸井 140メートル超人弾 屋外初フリー打撃で味方ビビらせた

[ 2017年2月18日 07:50 ]

<阪神キャンプ>初の屋外フリー打撃を行い、金本監督(後方)の前で豪快弾を放つ糸井
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 阪神に新加入した糸井嘉男外野手(35)が沖縄・宜野座キャンプ第4クール2日目の17日、フリー打撃を行い、34スイングで6本の柵越えを披露した。右膝関節炎のため、ここまではリハビリが中心だったが、移籍後初めての屋外フリー打撃で虎1号をマーク。なかには140メートル級の特大弾もあり、見守っていた金本監督に順調な回復ぶりを見せた。

 はじめまして、糸井嘉男です。そんなあいさつがわりにしては、あまりの衝撃となった。フリー打撃の31スイング目だ。糸井独特の弾丸ライナーが、右翼後方の防護ネットに突き刺さる。「歓迎阪神タイガース」という垂れ幕の「ス」の下の部分に直撃する推定飛距離140メートルの特大弾。思わず歓声で球場が沸いた。

 「ずっと日の当たらないところでやっていたので、ちょっと気持ちよかった。(予定では)ティーまででしたけど、監督さんが『少し打ってみるか』ということで」

 予定外の出来事だった。午前中はウエートやランニングなど通常メニューを消化していたが、金本監督の誘いもあり、球場にはバットを持って移動。ランチ特打に参加し、福留と交互に打ち始めた。「確認作業」と言いつつも、その5スイング目。右中間へ110メートル級の“虎第1号”を放つと止まらなくなった。

 もちろん全開ではないが、2連発あり、140メートル弾あり。そして最後の34スイング目は右翼へ110メートル弾を放ち終了。安打性の当たりを16本もマークし、ファンの拍手に包まれた。前日16日には初めてスパイクを履き、球場でティー打撃を行い「さらし者みたいで少し恥ずかしかった」と振り返ったが、この日は間違いなく主役だった。

 「見ての通り。別に俺がとやかく言うことはないでしょう」と前置きした金本監督だが、初めて目の当たりにする糸井の打撃に「さすがというか。インパクトも強いし、ポイントも良いし、打球も落ちないし、距離も出ているし」と絶賛。FA交渉の場などで「打撃を教えてほしい」と懇願されていたが、「言うことないよね。別に触らない方が良いんじゃない」と全幅の信頼を置いた。

 一方で他球団は敏感に反応した。「去年、散々打たれました」というヤクルトの衣川スコアラーは「どの方向にも中段まで飛ばす。神宮なら上段も。(打順は)足が万全なら、よーいドン(1番)の糸井も怖い。選球眼はいいし、足も速くて長打も打てる」と脅威を感じたようだ。昨季はヤクルト戦で13打数6安打の打率・462、1本塁打と爆発しただけに鳥肌が立ったことだろう。

 糸井は順調にステップアップしたことは喜んだが、「全力で走ってからが100%だと思っている」とキッパリ。まだまだ全開は先だ。35歳でも潜在能力は計り知れないだけに、浜風を蹴散らす超人伝説の幕開けとなりそうだ。 (鶴崎 唯史)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ (糸井のフリー打撃について)久しぶりにええ打球を見たね。きょうは暖かかったから外で打ったけど、これからはもう無理はせんでもいいよね。

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