坂本勇「1―0、2アウト満塁!」バーチャルWBC特守で守り抜いた

[ 2017年2月16日 06:00 ]

特守でノックの打球に飛びつく坂本勇
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 世界一のイメージはできた!3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの巨人・坂本勇人内野手(28)が15日、沖縄県那覇市の春季キャンプで準決勝、決勝を想定した特守を敢行した。

 「3番・遊撃」での起用が濃厚で、井端弘和内野守備走塁コーチ(41)からのノックを受け、自身のファインプレーで世界一を奪還するシーンも再現した。打撃でもシート打撃で2打数2安打と快音を響かせ、侍リーダーの仕上がりは攻守ともに順調だ。

 沖縄の小さなサブグラウンドが「ドジャースタジアム」に変わる。全体練習後の特守。遊撃についた坂本勇は、米国でのWBC決勝トーナメントを思い描いた。

 4年前、日の丸を共に背負った先輩の一言から始まった。ノッカーの井端コーチが「WBC準決勝!」と声を上げると、練習を補佐していた栂野打撃投手が「ドミニカ戦!」と続けた。打球は三遊間へ。逆シングルで捕球した坂本勇が華麗に一塁に送球。さらに舞台は進んだ。

 井端コーチ 「決勝はアメリカ!」

 坂本勇 「1―0、2アウト満塁!」

 決勝はメジャー球宴出場野手を12人そろえる米国を想定。しかも、9回2死満塁のピンチだ。坂本勇は三遊間の打球に飛びつくと、瞬時に起き上がり一塁送球。このファインプレーで、1点差を守り抜いた。世界一奪還のイメージは出来上がった。見守ったファンからは大きな拍手が起こる。泥だらけのユニホームで親指を突き上げた坂本勇は「普通(のプレー)です。でも、バッチリ」と笑顔を見せた。

 約50分間。ノックの雨を降らせた井端コーチは、坂本勇と13年の前回大会に出場。2次ラウンドの台湾戦(東京ドーム)で9回2死から同点打をマークするなど打率・556。しかし、米国で行われた準決勝のプエルトリコ戦は、2点を追いかける8回の「重盗失敗」が響いて3連覇の夢が消えた。当時の二塁走者は「先制したらいかに楽なのかと感じた。相手に先に点を与えないこと」と1点の重みを語る。だから、ノックで捕球ミスがあると「それで負けるぞ」と気合を入れ、坂本勇も「この1点で負ける!」と声を張り上げた。

 「3番・遊撃」での起用が濃厚で、小久保監督からリーダー役にも指名されている。試合形式の打撃練習では内海から左翼線二塁打し、森福からも右中間二塁打。元侍戦士の両左腕から2打数2安打を放った。「(宮崎キャンプの)紅白戦よりも良い感じでボールも見えている」。その目には、世界一奪還しか見えていない。 (神田 佑)

 ▽坂本&井端コーチの第3回WBC ともに初選出され、6試合に出場した。坂本は当初3番想定だったが、代表合宿序盤から調子が上がらず、主に1、6番として25打数6安打、打率・240。終盤は復調し、2次ラウンドのオランダ戦(東京ドーム)では5番で満塁弾を放った。井端コーチは主にDHを務め、18打数10安打、打率・556。チーム最高打率を残し、東京ラウンドのMVP、DH部門で大会ベストナインを獲得した。

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