【石井一久の目】菅野のチェンジアップ 落ち幅を抑えることが重要

[ 2017年2月16日 09:15 ]

シート打撃に初登板しチェンジアップを投げる菅野
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 巨人・菅野のチェンジアップは左打者には有効で、試合でも使えるレベルに達しているが、気になったのは、ストライクゾーンから大きく落ちて、ボールになる球が数球あったこと。打者が手を出してくれれば空振りも取れるが、逆に見逃されると、球数はかさんでしまう。重信を1球で一ゴロに打ち取ったように、ストライクゾーンの中、もしくはその近辺に「落ち幅」を抑えることが重要だ。

 日本からメジャーに移籍した投手がいい例だが、田中(ヤンキース)や前田(ドジャース)を見ても、彼らの投球ゾーンは日本時代より狭くなっている。大きな変化より、小さな変化で勝負するのが主流で、これは球数制限があるWBCも同じ。ストライクゾーンから大きく外れる変化球はそこまで必要ではない。

 この日の菅野は直球もよく動いていたし、空振りを取りたい時はスライダーで取れる。65球の球数制限なら、菅野の場合、ワンシームを含む直球系とスライダーが8割近くを占めても十分抑えられる。いかにボールゾーンの幅を狭められるか。チェンジアップを使うなら「落ち幅」の調整は必要だろう。 (スポニチ本紙評論家)

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2017年2月16日のニュース