ダル「FA考えると分岐点」200億円超大型契約へ完全復活の決意

[ 2017年2月16日 05:38 ]

キャンプイン前日、キャッチボールをするレンジャーズのダルビッシュ
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 レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)がキャンプインを翌日に迎えた14日(日本時間15日)、6年契約の最終年となる今季への強い決意を語った。

 日米通算13年目で初めてフリーエージェント(FA)の資格を得る今季を「分岐点」と位置付け。FA市場の目玉として6年総額1億8000万ドル(約205億円)の大型契約が予想される中、右肘じん帯再建(通称トミー・ジョン)手術から復帰2年目で完全復活をアピールする。

 昨年とは全く違う光景だった。キャンプ集合日のキャッチボール。ダルビッシュは途中から相手を座らせてフォークを投じると、鋭い落差に打者役を務めた球団スタッフが驚嘆した。1年前、慎重にリハビリを続けていた右肘の不安は消えた。

 6年契約の最終年。メジャー移籍時は当時のポスティングシステムでレ軍が独占交渉権を得たため、球団を自ら選べる立場になるのは初めてだ。「僕は契約に守られてきたけど、FAを考えると分岐点でもある。ダメだったら終わるし、良かったらまだあるし。もっといい契約をどうとかより、まず今年やらないと」。穏やかな表情にも強い決意をのぞかせた。

 米メディアの間では、早くも「交渉ラインは年俸3000万ドル(約34億2000万円)の5〜6年契約」、「レ軍は開幕前に契約延長で合意できないならトレードに動くべき」などと報じられている。今後も周囲が騒がしくなるのは必至だが、本人は「普通に“FAなんだな”と思いますけど、あまりそれを考えていると良くない。体調を良くして、ストレスがなく球を投げられるようにしていけば、結果はついてくると思う」と話した。

 7勝を挙げた昨季は5月末の復帰後も違和感が残り「2回くらいは(じん帯が)絶対また切れていると思うことがあった。(不安で)腕が振れない。(球を)置きにいくような試合も結構あった」と振り返る。ただ、トミー・ジョン手術は復帰2年目に好結果を残すケースが大半で「オフを挟んで、普通の感じに戻っている。どれだけ腕を振っても違和感も何もない」と手応えを口にした。

 米国のデータサイト「ファングラフス」によると、直球の昨季平均球速は手術前より1マイル(約1・61キロ)程度アップし、93・6マイル(約151キロ)。四球や1イニングあたりの球数も減った。「また進化して全部の成績が良くなればいいなと思っている。一緒だったり悪くなっているようでは駄目」。あくなき成長を求め、進むべき道を見据えていた。(サプライズ・奥田 秀樹通信員)

 ≪FA市場にビッグネームずらり≫17年オフのFA市場には先発投手にビッグネームが並ぶ。ダルビッシュについては、14日付のレンジャーズの地元紙「ダラス・モーニング・ニューズ」でも「総額1億5000万ドル(約171億円)級あるいはそれ以上の巨額契約」などと指摘。15年に22勝でサイ・ヤング賞を受賞し、昨季も18勝で108年ぶりの世界一に貢献したアリエッタ(カブス)もダルビッシュ同様、今季終了後にFAとなる。

 また7年契約の4年目ながら、今季終了後に自らの意思でFAになることが可能なオプトアウト(契約放棄)の権利を持つのが田中(ヤンキース)、クエト(ジャイアンツ)ら。4投手とも30歳前後で、今季活躍して争奪戦となれば大リーグ全体でも三本の指に入る年俸3000万ドル程度が攻防ラインとなりそうだ。

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2017年2月16日のニュース