大谷 開幕前の手術ない 初めて言及「極力やらないのがベスト」

[ 2017年2月12日 05:30 ]

沖縄・名護に向け、ホテルを出発する大谷
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 右足首痛のため、別メニュー調整が続く日本ハム・大谷翔平投手(22)が10日(日本時間11日)、手術の可能性について言及。開幕前は手術せずに状態を上げることに専念し、改善しなければシーズン中に決断する意向を示した。この日、米アリゾナ州ピオリアでの1次キャンプを打ち上げ、2次キャンプ地の沖縄・名護に移動。開幕戦での打者出場を目指し、屋外でのフリー打撃再開に意欲を見せた。

 今後、どうすればいいのか。大谷は頭の 中でしっかりと整理できていた。右足首痛のため、アリゾナキャンプを初日から最後まで別メニュー調整で終え、懸念されている手術について言及した。

 「極力やらないのがベスト。シーズン前まではやらない方向でいる」。初めて開幕前には踏み切らない方針を示した。その上で「どうしても投げられない、走れないとなれば、(手術を)やらなければいけない。100%のパフォーマンスができなければしようがない」とシーズン中にも決断する意向を示した。

 WBCに出場する侍ジャパンのメンバーから外れることが決まり、約1週間が過ぎた。「WBCに出るということだったら日付が決まっているのでそこまでに(練習強度を強く)しなければいけないけど今はそれがなくなった。直近の試合に合わせることはない」。コンディション不良のままWBCに間に合わせないといけないストレスは消え、焦りもない。

 「まずは治すことが優先」と全体メニューから外れ、キャッチボール、遠投、室内での打撃練習だけに取り組んできた。「今の段階ではひどくなっていない。(現時点の練習メニューの)強度では(手術すべきかどうか)分からない。どこまで(状態を)上げられるかにかかっている」と言う。2次キャンプ地の沖縄・名護で状態を見極めながら徐々に強度を上げることになる。

 「(手術に)時間(期限)はない。炎症やインピンジメント(関節衝突)が治まった時に、元の状態が悪化して(100%のプレーが)できないのか。(手術は)それによると思う」。次のステップはスパイクを履いての全力疾走、そして屋外でのフリー打撃となる。右足首の痛みは投球時の「底屈(足底の方に足首を曲げる動き)」に限られており、打撃の動作には支障がない。大谷も「名護(キャンプ)中には打ちたい」とフリー打撃再開に意欲を見せた。

 右足首は回復傾向にあるが、負荷がかかった時に患部がどう反応するか。それが手術するか否かを判断することになり、今後の焦点となる。日米の気候の違いも心配される。だからこそ、慎重に調整を続けるしかない。打者として開幕を目指す二刀流は「開幕には合わせるけど、開幕戦に、というのはない。しっかり状態を上げられるように頑張りたい」と祈るように話した。 (柳原 直之)

 ≪除去ならば復帰3カ月≫大谷が抱える右足首痛は、三角骨によるもの。三角骨は成長過程で骨の結合がうまくいかず、突起して残ってしまった余分な骨(過剰骨)を指す。足首が強制的に下を向くなど過度の負荷がかかった場合に痛みが生じる。三角骨を除去する手術を受ければ、実戦復帰まで3カ月を要すると言われている。

 ≪大谷の故障経過≫

 ☆16年10月26日 広島との日本シリーズ第4戦(札幌ドーム)。「3番・DH」で出場した8回の第4打席で、遊ゴロで一塁を駆け抜けた際に右足首をひねる。

 ☆11月11日 打者として出場した侍ジャパンの強化試合・メキシコ戦(東京ドーム)の5回、一塁内野安打を放った際に再び一塁ベース上で右足首をひねる。

 ☆17年1月20日 千葉・鎌ケ谷の室内練習場でオフに入って初のブルペン投球を行い、捕手を立たせて22球。このオフのブルペンはこの日と22日の2度のみ。

 ☆1月31日(日本時間1日) 右足首痛のため、投手としてWBCへの出場を辞退する意向をキャンプ地のアリゾナで表明。打者出場の可能性を探る方針を示す。

 ☆2月2日(同3日) WBCに出場しないことが決定。侍ジャパン・小久保監督が、打者としても断念したことを発表した。

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