阪神・能見 WBCはほとんどが初対戦 大切なのはデータより「自信」

[ 2017年2月12日 06:12 ]

歴代侍の金言=阪神・能見篤史

日本(ヤフオクドーム)での試合ながら「独特な雰囲気」と評した能見のWBCでのマウンド
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 グラウンド外でも、「世界の壁」と戦っていた。13年の前回大会に出場した阪神・能見は厳しい表情を浮かべ、決勝ラウンドの舞台となった米国でのことを振り返った。

 「食べる物がきつかった。日本だったら、食べたいものを自由に食べられるけど、海外だとそうはいかない。自分の場合は食事が合わなかったから、米国に行って痩せた。そういう意味で調整は凄く難しかった」

 日本でのシーズン中、遠征先のホテルではバイキング形式でバランスの良い食事が約束されている。米国では全く違った。朝食会場自体がなかったそうで、外食を強いられた。ベストパフォーマンスを発揮する上で、食事面の重要性を痛感する日々だったという。

 「良い思い出だった」と振り返るのが、1次ラウンドの初戦となったブラジル戦(ヤフオクドーム)でのリリーフ登板だった。7回までリードを許す苦しい展開。ようやく逆転に成功した直後の8回に4番手でマウンドに上がった。3者凡退で反撃の芽を摘み、9回の牧田につなぎ「独特な雰囲気やったから緊張もしたし、抑えたらもちろんうれしい」と語った。

 投手は滑りやすいWBC公式球への対応に追われる。さらに、対戦する各国の打者もほとんどが初めての対戦となる。そんな中で、好結果を残すためにはどんな投球がベストか。能見は自身の経験を通して、こう言った。

 「自信のあるボールを投げていくしかない。相手のデータもたくさんあるわけじゃないし、相手も打席に立たないと分からない部分はあるから」。初対戦なら投手有利に働く。その利点を最大限に生かすしかない。能見は阪神から唯一、侍ジャパンに選出されている後輩の藤浪ら投手陣に、持ち味を生かした投球を期待した。 (遠藤 礼)

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2017年2月12日のニュース