則本“ダル式”守護神プラン 09年WBCの再現、小久保監督示唆

[ 2017年2月11日 05:55 ]

ブルペンで投げる則本
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 3月開催の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、楽天の則本昂大投手(26)がスクランブル起用される可能性が出てきた。侍ジャパンの小久保裕紀監督(45)が10日、楽天の沖縄・久米島キャンプを訪れ、勝ち進んだ場合は救援での起用も示唆。09年の第2回大会では、ダルビッシュ(当時日本ハム)が準決勝、決勝で抑えに回り、連覇を達成した。3月7日のキューバとの初戦(東京ドーム)に先発する右腕が、その再現を目指す。

 静かにブルペンで則本の投球を見つめた。気温11度。南国らしからぬ寒さにベンチコートを羽織った小久保監督の頭には世界一奪回への新プランが浮かんでいた。

 「力強いボールが来ていた。(則本は)先発もそうですが、中(継ぎ)でも力を発揮できる投手。球の力と投げっぷりと、気持ちの強さ。高く評価している」

 投球練習後には、室内練習場奥の部屋で権藤投手コーチを交え3者会談。登板予定日などを直接伝えた。巨人・菅野、ロッテ・石川、ソフトバンク・武田と先発4本柱としての基本的な役割は変わらない。現状では3月7日のキューバ戦で開幕投手を務めた後、中7日で15日の2次ラウンド第3戦に先発し、さらに勝ち進めば、22日(日本時間23日)の決勝戦先発が濃厚だ。ただ、決勝トーナメントは負けたら終わりの一発勝負。準決勝以降は則本を救援でスタンバイさせる可能性は十分ある。

 実績はある。新人だった13年の巨人との日本シリーズでは先発と救援でフル回転し、日本一に貢献。侍ジャパンでは登板6試合中、5試合が救援だ。制球面の不安がなく、三振も取れる則本はうってつけの存在。小久保監督は守護神候補として、平野、秋吉、松井裕の3人の名前を挙げているが、国際舞台の経験が豊富とは言えない。1次、2次ラウンドの状態次第では、則本を抑えで起用することも考えられる。

 本人も心の準備はできている。「言われたところで投げるだけ。それが世界一のためになるのであれば(投げる場所は)関係ない。(役割を)与えられるだけで幸せなこと」と、指揮官の方針に柔軟に対応する考えだ。この日はブルペンで33球。WBC用に準備するカットボールも3球を投げた。きょう11日の紅白戦で1回を投げる予定で、「実戦なので全体的に試せたら良いかな」と、調整具合を確認する。

 連覇を達成した09年大会は、初戦の先発を務めたダルビッシュが決勝で胴上げ投手となった。則本で始まり、則本で締める。8年前の再現なるか。侍ジャパン投手陣の鍵を握る男であることは間違いない。 (黒野 有仁)

 ▽09年WBCのダルビッシュ 3月5日、東京ラウンド開幕の中国戦に先発。4回46球で無安打無失点に抑えると、同9日には中3日で韓国戦の8回に中継ぎ登板。1イニングを投げた。17日(日本時間18日)の2次ラウンド・韓国戦では再び先発。初回に3点を失って敗戦投手になると、準決勝以降は藤川(阪神)が本調子でないこともあって守護神に。「やりがいを感じます」と22日(同23日)の準決勝・米国戦、23日(同24日)の決勝・韓国戦と連投。最後を締めて世界一の胴上げ投手となった。

 ≪13、14年シーズン4試合救援登板≫則本は楽天では13、14年のレギュラーシーズン4試合に救援登板し、計8回2/3で防御率2・08と安定した内容だった。13年の巨人との日本シリーズでは第1戦に先発登板したのち、第5戦で5イニングのロングリリーフ、第7戦では2イニングの中継ぎをこなして日本一に貢献した。

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