侍はスター軍団だけど…ロッテ伊東監督 起用法に遠慮はいらない

[ 2017年2月9日 10:20 ]

歴代侍の金言=ロッテ・伊東勤監督

09年WBCで原監督(右)を支えた伊東総合コーチ
Photo By スポニチ

 正捕手として西武の黄金期を支え、リーグ優勝を14度、日本一を8度も経験したロッテ・伊東監督にとっても、初めての「世界一」は格別だった。09年の第2回大会。総合コーチとして、指揮を執った原監督を支えた。

 その役割を「首脳陣と選手のパイプ役」と言う。選手のやりやすい環境をつくることと、原監督の意向を伝えるバランス。常に大事にしていたのが「輪」だった。チーム全員での食事会は5回以上開催された。イチロー、稲葉篤紀らが先頭に立ち、和気あいあいとした雰囲気が自然とつくられていった。

 短期決戦では選手の好不調を見極めなくてはならない。スター選手の集まりだからこそ、そこにはさまざまな思いをする人がいる。イチローの不振だけではない。第2回大会は岩村明憲を下位打線で起用した。「状態がよくなかったとはいえ、本人は面白くなかったと思う」と伊東監督は振り返る。しかし、試合を重ねるたびに変化があった。「フォア・ザ・チームの考えに変わってきた。それを若い選手も見て気持ちが入る」。チームとしての一体感があった。

 世界一奪回を目指す今大会のポイントに挙げたのは「見極め」と「輪」。伊東監督は「日の丸を背負い、勝つために戦う。そこに遠慮はいらない」と力を込めた。勝つためには、どんなスター選手であっても、不調であれば起用法を考えなくてはならない。7日に石垣島を訪れた侍ジャパン・小久保監督には「気を使うこともあると思うが、チームとして勝つためにどうしたらいいか、それだけだ」とアドバイスを送った。

 「楽しむなんてことはできないと思うが、喜びに感じて戦ってほしい。でも、やはり勝ってほしいね」。日本の野球が世界の頂点に立つことを願う気持ちは、今も同じだ。 (町田 利衣)

続きを表示

2017年2月9日のニュース