鳥谷敬 今年も遊撃一本で勝負!「自分が勝負できる場所はそこ」

[ 2017年2月7日 09:45 ]

阪神注目選手インタビュー 鳥谷敬内野手(上)

対談で本音をぶつけあった鳥谷(手前)と赤星氏
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 キャンプ恒例のスポニチ本紙評論家陣による、阪神注目選手インタビュー。その第1弾は赤星憲広氏が、今季は大きく立場が変わった鳥谷敬内野手(35)の本音に迫りました。大不振だった昨年は何が起こっていたのか、そして北條との遊撃争いは…。その言葉の一つ一つに、決意がにじみ出ていました。(取材・構成=山本浩之、畑野理之)

 赤星 今までと違った気持ちでのキャンプインなのでは?

 鳥谷 はい。入団1年目、2年目と同じ感じですかね。

 赤星 昨年までは不動のレギュラーで、今年は競争する立場からのスタート。

 鳥谷 でも、誰かと競争するという感覚ではあまりなくて、とりあえず自分がしっかりと納得できれば(遊撃争いの)勝負できるかなと思っています。オフも、自分のことだけを考えてやってきて、このキャンプでは技術的な部分を上げていく。判断するのは周りなので、自分はきちんと状態を上げていくだけです。

 赤星 昨年はどうしたの? トリはいつも春先はあまり良くなくて、徐々に上げていくイメージがあるから、開幕してからしばらくの不調は心配していなかったのだけど、1年間そのまま行ってしまった…。

 鳥谷 感覚が合っていなかった。同じアウトでも自分の思っているところと打球が違った。調子が上がらないのではなくて、根本的に自分の感覚に合っていなかったので、ダメだなあ…て。最後まで、そんな感じでした。

 赤星 その原因などは何か見つけられた?

 鳥谷 打ち方で言えば、力強く打つということを(昨春の)キャンプからやって、逆にそれを考えすぎてしまった。バットのしなりで打ちたい考えがあって、基本的にはどれだけ力を抜いて力を出せるかだったのが、力強くというのに挑戦した。元々ボクは左手が強いですし、それも悪い方向に出た。それで途中でしならせようとしても、しなってこなかった。アウトでもヒットでも、感覚と違うので、ずっとヤバイなあって思っていました。

 赤星 今年は、その部分で戻ってきている手応えはあるの?

 鳥谷 自分の感覚は合っています。打ち損じでも、感覚はおかしくない。打つだけじゃなく、守ることでも昨年にはなかった自分の感覚でやれている。これを、続けていければ…。

 赤星 一度ずれたものが完璧に戻るのって難しいものだけど。

 鳥谷 いろいろと過去を見返して、逆に打てていたときもなぜなのかとか発見できたタイミングの一つにもなりましたし、あとは実戦でもこの感覚がずれないように、修正しながら、引き出しを増やしていきながら…かなと思います。

 赤星 トリは、今年もショート1本で勝負している。でも、もしも金本監督から「セカンドやってくれ、サードやってくれと言われることがあったら、どうするの? 受け入れるの?」

 鳥谷 どうですかね、今は全然考えていないですね。それを言われないようにしっかりやるのが前提ですし、言われることを考えてやっていない。言われた時にどう思うかはその時にしかわからないですけど、自分が勝負できる場所はそこ(遊撃)なんで。

 赤星 北條を違うポジションに追いやるぐらいの意気込みだ。

 鳥谷 あんまり北條をどうこうは考えていなくて、自分がショートでやるイメージしかないですね。あとはもう…、単純に年齢というもので判断されないものを自分で出していくしかない。まだ勝負できると思っている今に、そっち(二塁や三塁)に行って…みたいな選択肢はまったく考えていないです。

 赤星 コンディションはどう? 36歳になるシーズンだし、ずっと継続して培ってきたトレーニングがバックボーンにあるとはいえ、入ってきたばかりの選手とはそりゃあ10個もそれ以上も年は違う。

 鳥谷 走ることでいえは、同じ本数を同じスピードで走れるかとなれば若い頃に比べれば難しくはなっていると思いますが、でも、10の力で走っていたものを、8の力で同じように走れるようにはなっているので、練習していて、ノック受けていて、バテることもないし、若い選手に走ることで負けていると感じたこともないですね。

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2017年2月7日のニュース