高山 内角克服弾!「3割20発」へ大きな成長の証

[ 2017年2月6日 05:30 ]

フリー打撃で秋山(左)からサク越え弾を放つ高山(右奥は金本監督)
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 2年目の進化だ。阪神の沖縄・宜野座キャンプは5日に第1クール最終日を迎え、高山俊外野手(23)がフリー打撃に登板した秋山拓巳投手(25)から右翼席へ推定120メートル弾を放り込んだ。昨季前半戦は苦しんだ内角直球をうまくさばいた一撃は成長の証し。目標とする「3割、20本塁打」への可能性を示す弾道だった。

 明らかにゴッツくなった高山の体が腰を軸にクルリと回転した。19スイング目。秋山の内角直球を上から叩き、伸ばした両腕でグッともう一押しした。およそ45度の角度で上がった打球は120メートル先の右翼芝生席へ。昨年までにはなかった感触、手応えだ。

 「まだちょっと、さされたけれど、それでもうまく運べた。これを変化球でも対応できるようにしたいです」

 新人王を獲った昨季は8本塁打。結果球はすべて真ん中から外のコースだった。巧みなバットコントロールでファウルしたり、軽打した印象が強く、逆に内角を突かれた速球を完璧に打ち返したアーチは1本もなかった。長打がない…のデータから他球団の厳しい内角攻めにも苦しんだ。明確になったオフの課題。筋力トレの成果で体重も5キロ増えた。「力が付いたのは分かります」。技術的にも体の回転で押し込むスイングに取り組んできた。

 第1クールで最も目立った選手に板山とともに高山の名前を挙げた金本監督もうれしさを隠さない。

 「多少ポイントが近めで差し込まれていたけど、体の回転で押し込んで振れた。あれはすごく大事。多少、差し込まれても、そこからグッと腰の回転で押し込む…。それができていなかったら、あれ、ポップフライになるから」

 21球のうちストライクゾーンにきた16スイングで柵越え1本。中前へ会心の当たりもあり、進化を十分に感じさせた。しかも、使っていたのは約1キロの重量マスコットバットだ。内角球をさばくことができれば、おのずと昨季の打率・275からの上昇も見込める。

 金本監督は高山が目標に掲げる「打率3割&20本塁打」にうなずいた。

 「ぜひとも達成してほしい。浜風に何とか勝ってほしい。ちょっと差し込まれるとか、ちょっと泳いだとか、そういう時にオーバーフェンスや外野の頭を越えることができる打撃を習得してほしい。なかなか試合で、きれいに真芯で打てないから」

 以降のティー打撃でも高山はトスを内角に求めてクルッと回転してから押し込むイメージを何度も何度も繰り返していた。投手との今季初“対戦”で、答え合わせをして正解が分かったのは大きい。いま来た道を、このまま自信を持って進んでいく。 (畑野 理之)

 ▼中日佐藤スコアラー 体も大きくなってスイングスピードも速くなっている。真っすぐに自信がないと内角は怖い。2年目と思っていない。もう主力選手として見ている。

 ▼広島玉山スコアラー 内角球はうまくさばいていた印象が確かにあるが、昨年も練習ではしっかりととらえていたはずですよ。

 ▼ヤクルト衣川スコアラー さらに力強くなっている印象。(ドラフトで)逃した魚は大きいということですね。

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2017年2月6日のニュース