球団と密な連携あっての侍 小久保監督は意思疎通を最重要視してきたのに…

[ 2017年2月2日 09:22 ]

大谷 WBC投手出場を辞退

広島キャンプを視察に訪れた侍ジャパン小久保監督。左は緒方監督
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 【記者の目】NPBエンタープライズの今村社長は「言った言わないの議論ではない」と話した。その通りだ。日本ハムが公表した事情や、どういう形でNPBサイドに連絡を入れたかなど、詳細は分からない以上、責任の所在を論ずることはできない。

 ただ、選手選考という重大な決断に対する情報で、球団と代表側で認識の相違などあってはならない。13年に侍ジャパンが常設化され、12球団は一致団結して協力態勢を築いてきたはず。一方的な球団の判断であったり、代表側の事情ではなく、細部まで話し合う土壌は築かれたのではないか。日本ハムからの何らかの通知に対し、NPBが敏感に反応できなかったのなら、あるいは小久保監督に伝えられていなかったのなら、侍ジャパンの組織体としての脆弱(ぜいじゃく)さを露呈したことになる。日本ハム側も、日本代表から発表するよう要請はできたはずだ。

 小久保監督は大リーガーの招集に際し、全員と会い、置かれた状況を理解した上で選考した。今回選出した国内組にも同様に気を配っていただけに、疑問は深まる。原因究明は当然だが、大会本番は1カ月先に迫る。世界一奪回を期すチームにこれ以上動揺が広がることだけは避けなければいけない。 (侍ジャパン担当キャップ・倉橋 憲史)

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2017年2月2日のニュース