大谷辞退で侍ジャパンのコミュニケーション不足露呈 小久保監督も困惑

[ 2017年2月2日 05:43 ]

大谷 WBC投手出場辞退

厳しい表情の侍ジャパン小久保監督
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 広島のキャンプ地・宮崎県日南市で対応した侍ジャパンの小久保監督は、大谷の投手出場断念についての質問に対し、厳しい顔つきで口を開いた。その言葉の端々に困惑ぶりが感じ取れた。

 「足首の状態も含めて調整が少し遅れているという話までは聞いていました。それが突然、一方的に会見が開かれて、今聞いたばかりなので。詳細を全く把握していない状況です」

 大谷の登板回避は米国でキャンプを張る日本ハム側から発表された。日本ハムによると、2日前の30日に侍ジャパン側に「投手としての出場辞退」を伝えていたという。しかし、代表側は調整遅れは把握していたが、辞退を決めたとの認識はなかった。侍ジャパンを運営するNPBエンタープライズの今村司社長は「(正式な辞退の報告は)ないです。どういう形(場面)で日本ハムが話したのかも分かっていない。球団に悪気があったわけではないが、正式なものは代表から発表するのが筋」とした。認識の違いだけでなく、双方のコミュニケーション不足を露呈した。

 指揮官が「大事な試合を任せることになる」と話していたエースを失うことで、ローテーションの大幅な変更を余儀なくされる。今大会から各ラウンドで導入されるプレーオフに回った場合と、2次ラウンド初戦をにらんだ「第4戦」まで、指揮官の信頼の高い則本を温存することも難しくなった。良い投手から順番に起用することが見込まれ、相手も見据えたローテーションの選択肢は一気に狭められる。

 代役候補には、これまで代表の常連だった武田(ソフトバンク)が有力視されるが、大谷に対する決断が遅れれば、それだけ代替選手のWBC球への対応の時間もなくなる。今村社長は「一番ショックを受けているのは小久保監督だと思う」とした上で「期限もあるし、可及的速やかに、一番いい形になるように対処していく」と話した。

 最終登録メンバーの提出期限は米国時間6日(日本時間7日)だが、大黒柱の参加の可否を巡って混乱が生じている。 (倉橋 憲史)

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2017年2月2日のニュース