新人王・高山が抱く不安「正直怖い」 真価問われる2年目の“確かな進化”

[ 2017年2月2日 10:23 ]

阪神キャンプ初日、雨のなかロングティーを行う高山
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 ここ最近は曇天模様が続く沖縄・宜野座だが、気温は連日のように20度を超える。「予想以上に温かいですね」と笑うのは、昨季セ・リーグ新人王を獲得した高山俊外野手(23)だ。

 高山自身、2度目の春季キャンプ。昨年とは違い、今年は最初から沖縄・宜野座での1軍キャンプスタートだ。去年のちょうど今頃、高山はリハビリの真っ最中だった。15年10月26日。明大4年の秋季リーグ・慶大戦で右手有鉤(ゆうこう)骨骨折の怪我を負った。「けがで長い期間プレーを離れるのも初めてだったし、正直元のようにプレーできるようになるのか不安だった」と、当時を振り返る。記者も、高山のリハビリの様子をチェックするため高知・安芸キャンプで密着取材を続けた。約3週間にわたって、復活を遂げていく過程を見る中で「思い切り野球が出来る喜びが大きい」と笑顔を見せていた表情が印象的だった。

 そして2回目の春。宜野座から高山の戦いの幕は開ける。昨季は球団新人最多安打記録を塗り替えるなどセ・リーグ新人王を獲得。相手からの警戒ははるかに強まるだろう。高山は、沖縄に先乗りした1月28日に「正直怖いですね」とこぼした。しかし、その不安は早くも杞憂に終わったようにも思える。

 1月29日に行った屋外フリー打撃では31スイング中4本の柵越えを放った。体勢を崩されながらも右翼フェンスを越えていく長打を連発し、昨季からの進化ぶりを見せつけた。しかも使用するバットは試合用ではなく、練習用の約1キロの重量バット。それを軽々と操る姿は、オフ期間を含めた研鑽(けんさん)の証しにほかならない。

 「去年よりは強いスイングが出来ると思う。去年までは完璧にとらえた打球じゃないとホームランにならなかった。それが打ち損じても飛距離が出ている。良い感じ」

 ちょうど約1年前。2月4日の安芸球場でルーキーだった高山は初の屋外フリー打撃行い、59スイングで20本の柵越えを見せた。始動していた掛布2軍監督も「ただのバッターではない」と目を丸くしていたことを思い出す。月日は流れた。さらなるパワーアップを果たした高山が見せる2年目の真価とは―。期待してやまない。(久林 幸平)

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2017年2月2日のニュース