継投策が鍵を握るWBC、「ストッパー大谷」の奥の手はあるか

[ 2017年1月30日 10:15 ]

WBC日本代表の日本ハム・大谷
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 3月に行われるWBCで世界一奪還を目指す侍ジャパン。過去3大会同様、小久保監督は対戦相手だけではなく「球数制限」との戦いも強いられる。WBCはMLB主催。シーズン開幕前の大事な時期であり、先発投手の球数には限りがある。

 今大会で言えば、1次ラウンドで65球、2次ラウンドで80球、準決勝と決勝は95球だ。3月7日のキューバとの1次ラウンド初戦で先発予定の大谷は昨季登板を例に出すと、65球を投げた時点の平均回数は4回2/3だった。必然的に継投策が鍵を握り、「第2先発」と呼ぶロングリリーフ、さらに救援陣の出来が勝敗を左右することになる。

 小久保監督は守護神候補として平野と松井裕の名前を挙げ「その時の状態のいい投手を使う方向」と言う。平野、松井裕はともに実績はあるものの、平野は国際舞台での経験に乏しい。松井裕も抑えで起用された15年の「プレミア12」では防御率6・00。逆転負けを喫した韓国との準決勝などで制球面の不安を露呈した。しかも、滑りやすいWBC公式球。投げてみないと分からないのが現実だろう。小久保監督は他の中継ぎ陣でWBC球に適応し、調子もいい投手がいれば、2人以外の選択肢も視野に入れているはずだ。ただ、いずれにせよ、「日替わり守護神」。これではチームに安心感は生まれない。

 2連覇を果たした09年の第2回大会では、ダルビッシュが2次ラウンドまでに2試合先発し、準決勝の米国戦、決勝の韓国戦は抑えとしてフル回転した。指揮を執った原辰徳氏(巨人前監督)が繰り出した「勝負手」。当時を振り返り、「勝負事は生き物。勝つためには流動的に(作戦を)選択していかないといけない」と語っている。

 「ダルビッシュ級」の抑え投手。今大会で言えば大谷だろう。抑え投手の条件は球が速く、決め球を持つこと。ピンチを背負っても三振を奪うことができる投球だ。昨年のソフトバンクとのCSファイナルステージ第5戦(札幌ドーム)ではDHで先発出場。3点リードの9回に救援し、自身の持つプロ野球最速を更新する165キロを連発し、公式戦初セーブで日本シリーズ進出に導いた。150キロを超えてしまうフォークも武器に持つ。

 1回限定。栗山監督は「スピードだけなら170キロは出ると思う」と話しており、「ストッパー大谷」ならメジャーリーガーが集まるWBCでも球威で抑え込むことは可能だ。先発投手には球数制限があるため、なおさら「ストッパー大谷」という奥の手はあってもいいはず。「大谷につなげ」を合言葉に、チームにも一体感が生まれる。

 抑えで起用されれば、大谷はフルスロットルで投げるだろう。例年なら開幕前の調整の時期で、故障する危険性もはらんでいる。現時点では調整遅れも懸念されている。先発で投げ、登板間隔も十分に空ける。その間は打者で起用する二刀流のの方が「ベター」と言える。ただ、勝負事は生き物だ。救援陣が不調なら、世界一奪還は遠ざかってしまう。勝つための「ベスト」を模索することも必要だ。(記者コラム・飯塚 荒太)

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