大谷「いよいよ始まる」“仮想ロス”アリゾナでWBC球感触チェックへ

[ 2017年1月29日 05:45 ]

アリゾナキャンプに出発する大谷(左)と石川亮
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 日本ハムの大谷翔平投手(22)が28日、チームとともに春季キャンプを行う米アリゾナ州ピオリアに向けて出発した。成田空港では大勢のファンに見守られ、グレーの球団スーツ姿でチャーター機内へ。

 「いよいよ始まるという気持ち。アリゾナからしっかり調整していきたい。まずはWBCがあるので、そこを目標に頑張りたい」。その胸は自然と高ぶった。

 2年連続のアリゾナキャンプだが、今年はWBCへの予行演習の場となる。東京での1次、2次ラウンドを突破すれば、準決勝、決勝の舞台となるのは、ロサンゼルスのドジャースタジアム。同じ米西部に位置するアリゾナは気候も似ている。「アリゾナは乾燥が凄い。WBCのボールを使えば、良い練習になると思う」。ただでさえNPB球より滑りやすいとされるWBC球。日本では自主トレから使用しているが、WBC本番を前に米国でテストできるのは大きなメリットとなる。

 大谷は3月7日のキューバとの開幕戦(東京ドーム)での先発が内定しており、その後は2次ラウンド、そして22日(日本時間23日)の決勝戦へ。その目はもう世界一を捉えている。

 このオフ、栗山監督は大谷の蓄積疲労を懸念し、スロー調整を指示した。他のWBC組がピッチを上げる中、大谷だけはじっくりと調整。初ブルペンも1月20日で新人だった13年に次ぐ遅さだった。その13年以外は全て2月1日のキャンプイン当日にブルペン入りしたが、今年は「まだ吉井さん(投手コーチ)とも話していないので分からない」。チームの初実戦は2月8日(同9日)だが、大谷の出場について栗山監督は「無理をさせる必要はない」と話しており、アリゾナでも焦らず、「3・7」へ向けて仕上げていく。

 世界一を目指し、その先には日本一連覇を見据える。栗山監督は「年々、求めることは上がっている。“一つも負けるな”と言いたい」と無敗指令を課した。大谷は「結果的に勝てれば一番いい。自分がしっかりできればいい」と呼応した。日本ラストイヤーの可能性もある2017年。今年もアリゾナから大谷伝説が幕を開ける。(柳原 直之)

 ▽アリゾナ州ピオリア(Peoria) 州都フェニックスの北西部 に位置し、面積は約461平方キロ。人口は約17万1000人(15年)。フェニックスのベッドタウンとして発展を遂げた。2月の最高気温は平均22度だが、砂漠地帯のため平均の最低気温は7度と冷え込む。

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