2倍じゃすまない二刀流の負担、あらゆるケースを想定したい大谷起用法

[ 2017年1月26日 09:30 ]

WBC日本代表に選出された日本ハム・大谷
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 第4回WBCに出場する侍ジャパンのメンバーが24日に28人のうち27人が発表された。メジャーの先発投手の参加次第では、小久保監督は大谷(日本ハム)について「打者起用」も視野に入れていたが、投手はオール国内組の編成。都内で行われた記者会見でも指揮官は「基本的には投手を中心に」と語った。

 投手としてはエースとしての働きが求められ、DHで出場した場合にはクリーンアップに座ることもあるだろう。ただ、大谷に過度な負担をかけることはできない。国際大会は調整が難しく、真剣勝負に対するエネルギーは国内の公式戦の比ではない。投手、野手専門の代表戦士がシーズンの成績を落とす姿を、過去、目にしてきた。二刀流なら、その負担は単純に2倍というか、3倍、4倍だろう。栗山監督でなくても心配はつきない。

 小久保監督は「日程的にどこで野手の出場が可能なのかというのは栗山監督、また日本ハム球団と話をします」と会見で話したが、できるだけ早く、日本ハムと話し合いを行う必要があろう。実戦の中で「先発→野手出場→先発」のリズムもつかむ必要がある。米アリゾナ州から戻って沖縄・名護でキャンプを張る2月中旬以降は、二刀流として実戦の中で精度を高める段階に入る。ならば、日本ハムがアリゾナ州のキャンプに出発する前に、本大会での起用計画と、それまでの準備計画をすりあわせる必要があるのではないだろうか。

 国際大会は勝つための大会であり、選手の調子の良し悪しによって、事前の想定通りに事が進むわけでもない。その時々で選手に無理を強いる決断の時は来る。しかし、大谷は今回の侍ジャパンの中でも中心的選手であり、一番パフォーマンスを発揮しやすい環境を整えなければいけない選手だ。

 すでに話し合いを開始しているのであれば、あらゆるケースを想定して何パターンも起用方針を日本ハムと作り上げてほしい。(記者コラム・倉橋 憲史)

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