巨人に戻ってきた「神コーチ」 小谷氏の指導哲学とは

[ 2017年1月25日 10:40 ]

2010年9月、東野にアドバイスを送る小谷コーチ
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 巨人に「神」が6年ぶりに戻ってきた。今季から巡回投手コーチに就任した小谷正勝コーチのことだ。13〜16年にロッテで2軍投手コーチを務め、私もロッテ担当時代にはとてもお世話になったが、1月中旬にジャイアンツ球場(川崎市)で再会することができた。

 「隠居しようと思っていたら、お声が掛かったんや。人生って何が起きるかわからんよな」

 巨人には小谷コーチを師とあおぐ投手が少なくない。若手時代に指導を受けた内海もその一人だ。「小谷さんは“神”ですよ。あの人がいなければ今の自分はいませんから。戻ってこられると聞いて、喜びしかありません。早く投球を見てもらいたい」と師匠の復帰を誰よりも喜んでいる。

 小谷氏は11年限りで巨人を離れたが、その後も教え子の内海や山口鉄、宮国らのことをずっと気に懸けていたという。「テレビで見てたよ。やっぱり気になるよな。昔の教え子たちが今、必死にもがいている。なんとかしてやりたいよ」。御年71歳の名伯楽は「俺もこんな年だからどうなるかわからんぞ」と言いつつ、再び教え子たちと同じユニホームに袖を通すことを喜んでいるようだ。

 以前、小谷コーチの指導哲学を聞いたことがある。「どの選手にもベストの状態がある。基本はその状態から何が変わっているのかを見てやること。“いい時に比べてこうなってるぞ”と言ってやる。一方で、年齢を重ねれば若い頃とは同じようにはいかない。だったら、今の状態で出来ることを作っていく。新しいものをどうやって作っていくかだよ」。ベースとなる個々の特徴や個性を細かく把握した上で、ピンポイントで助言するのか“小谷流”だ。

 ロッテ・唐川について小谷コーチに取材させてもらった際、印象に残っている言葉がある。「プロに入ってくる選手なんて全員が○○流の家元なんだよ。唐川だったら“唐川流”の家元。だから、自分の流派でやればいい」。決して大きく何かを変えさせようとはしない。だからこそ、選手も安心して助言に耳を傾けられるのだろう。小谷コーチは79年に大洋で指導者としてのキャリアをスタートさせた。球界の生き字引でもある「コーチの家元」の手腕に注目したい。(記者コラム・重光晋太郎)

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