金本監督 藤浪よ!井川になれ「計算できるくらいの投手に」

[ 2017年1月23日 05:41 ]

兵庫ブルーサンダーズ主催の講演会で話す金本監督
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 5年目シーズンの藤浪に「井川級」期待!阪神・金本知憲監督(48)が22日、兵庫県三田市内で独立リーグ・兵庫ブルーサンダーズが主催した講演会に出演した。終了後、取材に応じた指揮官は藤浪晋太郎投手(22)に対し、同球団に今年から加入する元阪神・井川慶投手(37)の全盛期をほうふつさせるフル回転を期待した。

 5年目シーズンの目標に「200投球回」を掲げる藤浪には基準とすべき先例が存在する。同じく高卒5年目の02年に初めて200投球回を突破し、翌03年に206投球回、20勝でリーグ優勝の原動力となった井川だ。ともに戦った経験を持つ金本監督も、藤浪に「井川級」の期待を寄せた。

 「それ(全盛期の井川のような投手がいれば心強い)はそうやね。1人で投げきる、完投というね。そういう時代ではなくなってきている部分もあるし、完投はなしにしても。110〜120球で完投してくれたら別に(問題ない)。まあ、そこ(完投数)にこだわってはいないよ。でも(藤浪が)長いイニングを投げてくれたら、ベンチもブルペンも助かるから」

 藤浪に掛ける期待は、おのずと大きくなる。頂点を勝ち取るには完投能力のある「エース」の存在が不可欠。過去4年で通算42勝を挙げ、15年には199投球回、14勝をマークした右腕はその資格を十分に有している。あと一歩で全盛期の井川をほうふつさせる大黒柱になれる素材。だから勝ち星に関しても「(20勝も無謀な数字では)ないと思うよ」と期待は膨らむ。

 「井川ロード」への道しるべとして、長所である「荒々しさ」のコントロールも説いた。「ストライクゾーンだけでまとまるのではなく、今度はコントロールがまとまってきたら意図して荒々しさを出していくという。ここ(打者の内角)にきっちり。打席の前のラインくらいのところに、ある程度、計算して投げられるようになれば、(打者に与える)効果は一緒だと思う」。偶然ではなく、意図して相手打者の胸元をえぐるボールを扱えるようになれば、鬼に金棒というわけだ。

 「そういう(投球回を伸ばす)意味でもコントロールが必要。ボール先行になると、イニングを投げさせられなくなる。藤浪が投げる時は中継ぎはちょっとお休み、と計算できるくらいの投手になってほしい」。ボールと投球スタイルをコントロールできれば、井川以来の「200投球回&20勝」も現実味を帯びる。藤浪が殻を破る時こそ、金本阪神が頂点に立つ時だ。 (惟任 貴信)

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2017年1月23日のニュース