楽天・松井裕 新球シンカー用意 WBCでプレミア12の雪辱を

[ 2017年1月23日 05:30 ]

新球のシンカー習得に取り組む松井裕
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 新球を引っ提げて、日の丸守護神の座をつかむ。3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンへの追加選出が濃厚な楽天の松井裕樹投手(21)が22日、Koboパーク宮城の室内練習場で自主トレを公開した。既に選出されている則本昂大投手(26)とのキャッチボールでは習得中のシンカーを披露。新たな武器を使い侍ジャパンの世界一奪還に貢献する。

 約30分間のキャッチボールは、ただのウオーミングアップではなかった。滑りやすいWBC公式球を使って則本とともに、感触を確かめた松井裕。そこに、新球のシンカーを織り交ぜた。

 「則本さんには良いと言われた。でも打者と対戦した時にどうか。対外試合までに良い状態に持っていけるか」。先輩から太鼓判を押された新球。あとはいかに実戦仕様に仕上げるかが勝負だ。

 その先にはWBCを見据える。24日に発表される追加メンバーに選出されることが濃厚で「(WBCは)小さい頃から見ていた大会。代表のユニホームに袖を通したい」。15年の国際大会「プレミア12」では守護神を任された。だが、準決勝の韓国戦で逆転負けを喫するなど、防御率6・00。その雪辱の舞台がWBCでもある。「与えられたところで頑張りたい」と話すが、狙うのはもちろん守護神の座だ。

 そのためにも、新球習得は追い風となる。左腕から繰り出されるシンカーは右打者から逃げるように沈む。主な持ち球は平均140キロ台中盤の直球に、ともに120キロ台のスライダーとチェンジアップ。そこに130キロ台のシンカーを加えることで投球のバリエーションは圧倒的に増える。

 これまで沖縄でともに自主トレを行ったOBの田中(ヤンキース)からは「変化することを恐れるな」と助言を受けた。昨季もプレートにかける足の位置を変えるなど、常に進化を求める先輩の姿にも刺激を受ける。「“新しい自分を求めてやるといい”とも言われました」。シンカーを操る新たな松井裕。視線の先にはWBCの9回のマウンド、そして「防御率0点台と40セーブ」を目標に掲げるシーズンが待っている。 (黒野 有仁)

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