元竜戦士が漏らした本音「とにかく暗いな…」 “応援したくなるチーム”とは

[ 2017年1月22日 09:30 ]

選手会合同自主トレを視察した中日・森監督
Photo By スポニチ

 マイクを持つ人物が替わったから驚いた。ナゴヤ球場での中日の選手会合同自主トレ中はグラウンドでの練習後、若手選手がマイクを持って集まったファンにあいさつしている。

 19日はドラフト3位の石垣(酒田南)がダジャレを披露したが、20日の担当は同4位の笠原(新潟医療福祉大)。取材をしていても真面目で落ち着いた印象の左腕は「人見知りなんです…」と話していた通り、「きのうの石垣くんのようにダジャレはないですが、きょうの全体練習は終わりたいと思います。ありがとうございました」とスタンドへ初々しく何度もペコペコ。それを見て動いたのは昨季、広島で現役を引退し、打撃投手として5年ぶりに中日に復帰した久本だった。本塁付近に後輩を連れ、スピーチを始めた。

 「帰ってきました久本です。今回は裏方として、BP(打撃投手)として帰ってきました。なんとかAクラス、優勝に導けるようにこれからまた頑張ります。また、ドラゴンズの暗い雰囲気を、なんとか明るくして、これからも頑張っていきます!笠原君も、よろしくお願いします!」

 37歳は横に並んだルーキーの紹介もしっかり。古巣へ帰ってきた元ドラゴンズ戦士の姿にスタンドのファンは拍手を送っていた。翌日21日には同5位の藤嶋(東邦)がスタンドのリクエストに応えて「燃えよドラゴンズ!」を熱唱。マイクパフォーマンスは野球以外のちょっとしたアピール舞台として、ファンも楽しみにしているようだ。

 久本は帰ってきたチームの印象を「とにかく暗いなと感じました。カープとは違いますね」と語った。今オフも静岡で広島・菊池らの自主トレを手伝ったそうで、カープ芸人「ザ・ギース」尾関らが練習前にコントをしたり、ファンを喜ばせていたという。それを聞いて、すごい工夫をするとビックリした。優勝したカープに対し、最下位のドラゴンズ。負けが込んだこともあるが、昨シーズン中の雰囲気は確かに重かった。「広島はファンの力で勝たせてもらった部分もある。ボクもできることはどんどん協力したい」。久本はこう力説した。

 個人的には大野、田島、平田、亀沢、小笠原など…明るい印象の選手は多いし、球団マスコットのドアラにはユニークなイメージしかない。昨年の秋季キャンプ中は森監督の発案で即席サイン会を開催していた。地域とファンと一体になって、活気あるチーム作りを目指すというのが新監督の方針だ。応援したくなるチームとはどんなチームなのか。巻き返しを期す今季はファンサービスにも注目したい。(記者コラム・細川 真里)

続きを表示

2017年1月22日のニュース