【球団トップに聞く】DeNA・岡村社長 ハマスタ観客増で「キャパシティー問題」解決を

[ 2017年1月19日 11:30 ]

球団トップに聞く!DeNA・岡村信悟球団社長(下)

「THE BAYS」に生まれ変わる旧関東財務局をバックに笑顔を見せるDeNA・岡村球団社長
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 横浜・日本大通りには歴史的建造物が並ぶ。横浜スタジアムがある横浜公園の向かいに位置するのが旧関東財務局。DeNAが手がける街づくりの拠点だ。市指定有形文化財の活用事業に名乗りを上げ、新施設「THE BAYS(ザ・ベイス)」を3月に開く。岡村社長は12日にその場所で会見し「横浜スポーツタウン構想」を掲げた。

 「池田(純)前社長がやったコミュニティーボールパーク構想を継承、発展し、スポーツを切り口に街づくりの主体となっていきたい。この建物が第一歩になる」

 要は2階に置くシェアオフィス。入居するクリエーターや企業と連携し、新しいビジネスや価値の創造を目指す。「これからビジネスの最先端になる分野はスポーツ。可能性があるから国も(市場規模を12年時点の)5・5兆円から25年には15兆円にすると言う。地域の人に楽しい暮らし方をスポーツを通じて与えられるようにしたい。スポーツは健康づくり、未病対策というヘルス事業や、地域で子供を見守る、育てるという教育的なところにもつながるかもしれない」

 街に一大スポーツコンテンツのプロ野球がある意義を高めるべく、「本丸」にも手を付ける。昨年の横浜スタジアムは観客動員194万人、座席稼働率93・3%がともに球団最高を記録。「球団が横浜に来て40シーズン目ですが、空気のように当たり前にあったものをみんなが地域の誇りとして大切にし、エネルギーを与え合うようになったのは最近なのでは。ベイスターズは再発見されている。ただ、逆にチケットが手に入らず、お客さまにご迷惑をおかけしているので、キャパシティーの問題(現在の収容人数は3万人)は絶対に解消しなきゃいけない」。20年東京五輪の野球・ソフトボール主会場としての役割もあり、待ったなしだ。

 東大では当初、歴史学者を志した。大学院でも学ぶうち、研究者として生きるより元来の「外交的な性格」を生かしたいと考えた。公共の利益のためにまい進した官僚時代。「ベイスターズは公共財で横浜スタジアムは公共施設。その歴史をさらに大きく飛躍させたい。それは今まで僕がやってきた仕事とそんなに差異はない」。地域愛――「I☆(LOVE)YOKOHAMA」の旗手として、次々に仕掛けを繰り出していく。 (中村 文香)

 ?岡村 信悟(おかむら・しんご)1970年(昭45)1月4日、東京都生まれの47歳。東大大学院人文科学研究科修士課程を修了し、95年に郵政省に入省。03年に総務省に転じ、情報通信政策局などを歴任した。昨年4月にディー・エヌ・エー(DeNA)に入社し、スポーツ事業部長および横浜スタジアム社長を兼任。同10月から現職。

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2017年1月19日のニュース