【球団トップに聞く】巨人・久保社長 変わらないために変わらなくちゃ

[ 2017年1月15日 11:30 ]

球団トップに聞く!巨人・久保博球団社長( 下)

巨人の久保博球団社長
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 過渡期にある球団の課題として、久保博球団社長が「ジャイアンツロード」として24年の90周年へ向けて推し進めるのが「ジャイアンツブランドの再生」だ。

 「球団に来て全体を見渡せる立場にいるのは確か。興行の仕組みやチームづくり、トータルで100点を目指してやっていくのが球団、私の課題。いろいろ布石は打ってある」

 15年は「G2プロジェクト」として2軍のファンサービス充実など集客増による戦力底上げ策を実施。3軍を創設した昨年は、23年3月末完成を目指し、東京都稲城市でのファーム施設新設を発表した。「スーパースターはつくるわけにはいかない。ただ、スターが生まれてくる土台をつくるのは我々の仕事。舞台づくりは絶対に手を抜かない」。一方で3年ぶりのリーグ優勝へ、チームはこのオフ大型補強を敢行。「常勝チームをつくることと、新旧交代、新陳代謝を図るにはどうしたらいいか。今年はそういうものの答えの一つ。球団というのは夢をつくるもの。そのためには投資を惜しまずやりますよ」。球団社長として編成ではなく、ハード面でのチーム強化を積極的に推し進める。

 就任から3年足らずで精力的に変革に取り組む久保球団社長。愛読書のジャンルで多いのは生命科学、特に分子生物学を好んでいるという。「“変わらないために変わらなくちゃいけない”っていうのが生物。細胞って分子レベルだと3日か4日に1度、全部入れ替わっている」。この理論を組織にもつなげる。「砂の城を次第に波が平らにするように、秩序は全て無秩序に向かおうとする。自然界で一番、無秩序に逆らっているのが人間」。細胞を絶えず入れ替えることで遺伝子の設計図が守られ、人間は生きることができるという。

 「だから巨人軍の伝統を守りたいなら、我々は変わらなくちゃいけない。変わらないものを守るために変わるということ」。強い巨人という変わらない目標のために久保球団社長は、挑戦し続ける。 (春川 英樹)

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2017年1月15日のニュース