台湾の大谷だ!リャオ二刀流始動 剛球だけじゃなく鋭い打球も

[ 2017年1月10日 05:30 ]

廖任磊(中央)は一人短パン姿でランニングする
Photo By スポニチ

 スイングも規格外だ。巨人の新人合同自主トレが9日、川崎市のジャイアンツ球場でスタートした。ドラフト7位・廖任磊(リャオレンレイ)投手(23=台湾・開南大)はキャッチボールで力強く投げ込み、最速156キロの剛腕ぶりを披露しただけでなく、ティー打撃では鋭いスイングを連発。2メートル1、体重125キロの巨漢右腕が、視察に訪れた高橋由伸監督(41)らに投打でスケールの大きさをアピールした。なお、他6球団も新人合同自主トレの初日を迎えた。

 野手顔負けのスイングだった。室内練習場でのティー打撃。廖任磊は大きな体をフルに使って豪快にバットを振り抜いた。鋭い打球がネットに次々と突き刺さる。

 「高校時代は野手だったので、バッティングは好きです。遠くに飛ばすのが好き」

 共生(岡山)では野手としてもプレー。主に一、三塁を守った。台湾代表に選出された15年9月に行われたアジア野球選手権でも、打撃を買われてパキスタン戦で一塁手として途中出場。国際舞台での打者デビューも果たしている。

 同年12月のアジアウインターリーグ(台湾)にもアマ台湾代表として参加。地元メディアから「台湾の大谷翔平」と紹介され、注目を集めた。台湾出身だけに、まさに「二(リャン)刀流」といったところで、現役時代に本塁打王に2度輝いた江藤打撃コーチも視察し「よく振っていたね。あれだけ振れるのは面白い」とうなるほどだった。

 本職の投手でも潜在能力を見せつけた。キャッチボールでは、育成ドラフト6位の高山に力強い球を投げ込み、「140キロ台後半ぐらい出てるんじゃないですか」と言わしめた。それでも当の本人は「7、8割の力。投手は腕の振りが早いほうがいい。切れが徐々に出せるように」と腕の振りを意識したと強調した。「天気が良ければいつでも大丈夫」とブルペン入りに向けた準備も万端だ。

 見守った高橋監督は「環境が変わると体調を崩しやすくオーバーペースになる。慣れるのが一番」と焦りは禁物と説いた。そんな指揮官の心配をよそに一人だけ短パン姿で練習した廖任磊。「ズボンが長いと走りにくいし、寒いのは好き」と台湾に比べ寒冷な日本の気候も気に入っている。体だけでなくスケールも「大物」ぶりを漂わせていた。 (徳原 麗奈)

 ◆中国語の数字の発音 一(イー)、二(アール)、三(サン)、四(スー)、五(ウー)、六(リョウ)、七(チー)、八(パー)、九(ジョウ)…などが一般的。「二」は発音が2種類あり、個数などを数えるときは「リャン」となる。麻雀での「リャン(ピン、マン、ソー)」はこちらの用法。

続きを表示

2017年1月10日のニュース