【球団トップに聞く】日本ハム竹田社長 大谷の米挑戦、新球場…夢尽きない

[ 2017年1月9日 10:30 ]

球団トップに聞く!日本ハム・竹田憲宗球団社長(下)

優勝旅行の記念パーティーで笑顔を見せる大谷(左)と竹田球団社長
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 日本一連覇を狙う今季は大谷翔平のラストイヤーとなるかもしれない。昨年12月5日、10勝&22本塁打でMVPに輝いた大谷の契約更改交渉で、球団は高卒5年目を終える今オフ以降のポスティングシステムによるメジャー挑戦を容認した。

 竹田憲宗球団社長も、その契約更改交渉に同席。「翔平の夢は何だい?」と問うと、真っすぐな目で「世界一になることです」と返された。「それなら球団も君の夢を実現するために最大限努力する」と伝えた。「22歳なのに人間性も素晴らしい。あいさつや振る舞い、人への態度、野球も妥協しない」と評価する。

 同制度の利用は海外FA権の行使が可能となる前年が主流。その例では利用は3年後の20年オフで、今オフとなれば極めて異例だ。背景にあるのが12年のドラフト1位指名後、入団交渉時に提示した「夢への道しるべ」と題した資料。花巻東から直接メジャー挑戦を表明していた大谷に日本で実績を積んで挑戦した方が成功の可能性が高いと説明した。竹田社長は「入団時から栗山監督、フロントも大谷が世界で活躍するためのプログラムを意識してきた。チームがそれだけ思いやりをもって育成している」と語る。今後もチーム強化の2本柱である「スカウティングと育成」の方針は不変。大谷だけではない。「若い方々が“日本ハムに入れば夢をかなえられる”と思ってもらえたら」と言葉に力を込める。

 球団は昨年末に札幌ドームに代わる新球場建設に向け、本社と協働体制の「タスクフォース(作業部会)」を設置した。近い将来、開閉式屋根で天然芝、そして北海道の要素を取り入れた唯一無二の球場が完成するかもしれない。「北海道の皆さまが誇りに思える球場ができるのか、時間をかけて検討する」と語った。

 「高校時代の夢は小説家。ロマンチストだったんです」という竹田社長は、5日の仕事始めの年頭あいさつで「職員も夢を語れる会社にしましょう」と語った。日本一連覇、北海道とのより強固な絆、そして夢の新球場――。ロマンを追い求める姿は昔も今も変わらない。 (山田 忠範)

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2017年1月9日のニュース