【球団トップに聞く】日本ハム竹田社長 究極の夢は道民538万人の“誇り”となること

[ 2017年1月8日 09:00 ]

球団トップに聞く!日本ハム・竹田憲宗球団社長(上)

チャンピオンフラッグの前でたたずむ日本ハムの竹田球団社長
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 12球団のフロントに今季、そして将来的なビジョンなどを直撃した2017年の新連載「球団トップに聞く」がスタート。第1回は、日本一連覇を目指す日本ハムの竹田憲宗(けんそう)球団社長(60)。北海道民への思い、大谷のメジャー挑戦、夢の新球場建設など、本音を語った。

 あふれ出るバイタリティー。笑顔からは、その人柄がにじみ出る。竹田憲宗球団社長には、壮大な夢がある。

 「昨年は日本一になり、主催試合の観客動員も(北海道に移転した04年から)13年目で念願の200万人を突破した。北海道の538万人全員がファイターズの存在を北海道の誇りと思っていただくのが究極の夢。まだまだ通過点。北海道のお役に立てると思っています」

 78年に日本ハム入社。さまざまな要職を歴任し、本社のパートナーカンパニーであるJリーグ・セレッソ大阪の取締役まで務めた男は揺るぎない信念を持つ。生徒会長でサッカー部の主将だった富山での高校時代に「人は夢で始まり、ロマンで育ち、責任感で完成する」という言葉を考え、人生の座右の銘とした。現状を把握し、夢や志を持ち、目標達成に向けて努力を惜しまない。その姿勢は学生時代、社会人でもぶれなかった。組織をまとめ、前に進める手腕を買われ、15年3月に球団社長就任。職員への訓示でも自身の座右の銘を紹介し「生意気かもしれないけど自分の役目は職員を守り、その家族も幸せにすること」と語った。

 常に心には先人への感謝の念がある。04年に東京から北海道に本拠地移転。開幕前、職員がチームの日程表を札幌駅前で配布した。「手に取ってもらえたのが5人に1人で大半の人が道に捨てていかれた。それを職員は涙を流して拾ったそうです。そんな苦労の上に今のファイターズがある」。だから妥協はしない。その姿勢は職員も同じだ。昨季は主催試合の観客動員が初の200万人突破。09、11年はあと一歩の199万人だった。例年人気の「WE LOVE HOKKAIDO シリーズ」を夏場から5月に変更し、開幕からの動員力を維持。オフに北海道179市町村を回る「応援大使」など地域密着策も実を結んでいる。

 昨年は日本シリーズも含め4万人以上動員の試合が20試合あり結果は15勝4敗1分け。「僕は何もしていない」と謙遜するが、竹田社長を中心とした球団の営業努力がファンを呼び昨年の10年ぶり日本一を演出した。(山田 忠範)

 ◆竹田 憲宗(たけだ・けんそう)1956年(昭31)3月31日、富山県生まれの60歳。京産大では、サッカー部に所属。78年に日本ハム入社。営業企画部次長や執行役員量販事業部長などを歴任し、08年はセレッソ大阪の取締役。11年に日本ハム西販売の代表取締役社長を務め、15年3月から現職。

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