楽天・後藤が引退…“BWの先輩”イチローより「長く」かなわず

[ 2017年1月5日 10:30 ]

イチローの見守る中、打撃練習をする後藤
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 昨年の暮れ、寂しい知らせが届いた。オリックス、楽天で活躍した後藤光尊内野手(38)が現役引退を表明。15年のプロ生活を終えた。

 オリックスは近鉄との合併で05年から愛称が「バファローズ」となり、後藤は04年までの「ブルーウェーブ」に在籍していた最後のNPB現役選手だった。NPBとあえて表記したのは、もう1人現役選手がいるから。MLBのマーリンズでプレーするイチローだ。

 ブルーウェーブ戦士の生き残りとなった2人だが、実は一緒にプレーしたことはない。イチローは01年にメジャー移籍。後藤は01年ドラフトでオリックスから10位指名され、すれ違いで入団した。

 ただ、04年からイチローが帰国した際に一緒に自主トレを行うなど、交流は深かった。昨夏、イチローがメジャー通算3000安打を達成した時、後藤にイチローの印象を聞いたことがある。「もう、神だよね」と即答が返ってきた。「野球から離れると面白いおじさん。お笑いも大好きだし」。そう笑顔で言葉を続けると、すぐに尊敬のまなざしに変わって「野球への取り組み方とか考え方とか、影響は計り知れない」と言った。

 周到な準備や徹底した体づくりで知られるイチローだが、後藤もひけをとらなかった。遠征で宿舎に到着すると、まず行うのが「配置換え」だ。「ホテルの部屋って狭いでしょ。ストレッチとかバットを振るスペースをつくるため」と、ベッドや椅子などの家具をごっそり移動していた。

 本拠地のロッカーもきちんと整理整頓。「サプリを多数飲んでいるため、ここはサプリ、ここは野球道具、と狭いスペースを有効活用している」と明かしてくれた。イチロー同様の野球へのストイックな姿勢からか、38歳という年齢を感じさせなかった。

 楽天移籍後は、施設面などの問題から合同自主トレをする機会はなかったが、昨季はイチローが愛用するビモロのスパイクを取り入れるなど、薫陶を受けていた。

 昨夏、こうも語っていた。「負けたくないよね。あの人より長く現役でいたい」。5歳上の先輩より一日でも一年でも長く野球を続けるつもりだった。オフに楽天から戦力外通告を受けた後も現役続行を希望して黙々と練習に取り組み、トライアウトに臨んだ。しかし、獲得に乗り出す球団はなく、ユニホームを脱ぐ決意を固めた。

 今後は楽天のジュニアコーチとして子どもたちを指導する予定だ。「入団すれば順位は関係ない」と言われるプロの世界だが、ドラフト10位から15年も現役で居続けた選手はそうそういない。イチローの影響を受け、ひとえに野球に取り組んだからこそ。野球に対する真摯な姿勢を次代を担う子どもたちに伝えていってほしい。(記者コラム・徳原 麗奈)

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