広島・緒方監督 セ連覇&日本一への鍵は競争「新しい力出てこないと厳しい」

[ 2017年1月4日 09:00 ]

広島の緒方監督
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 25年ぶりのリーグ優勝を起点に黄金時代への一歩を踏み出す2017年を迎え、広島・緒方孝市監督(48)がスポニチ本紙の新春インタビューに答えた。リーグ連覇と33年ぶりの日本一を目指すうえで「競争」を前面に掲げ、昨季限りで現役引退した大黒柱の黒田の後を継ぎ、セ・リーグMVPを獲得した新井を押しのける「ニューウエーブ」の台頭を強く求めた。 (取材・構成 江尾 卓也)

 ―今年はリーグ連覇の期待がかかる。

 「厳しい戦いになるのは間違いない。自分も就任3年目。1、2年目の経験を生かしたい」

 ―攻撃陣では現有戦力の底上げが必要かと。

 「新しい補強はないわけだし、新しい選手が出てくることを期待する。昨季は各部門で好成績を挙げてくれた。ただ数字だけには目を向けない。打撃のレベルや質をいかに上げるか。それが結果につながると思う」

 ―MVPを獲得した新井の位置付けは。

 「昨季は中軸の役割を果たし、チームに貢献してくれた。彼がやってきた全力プレーを、今季も続けてくれたらいい。調子がよければ数多く試合に出られるだろう。年齢は一切言わない」

 ―代わる人材の台頭が求められる。

 「うん。新しい力に期待している。また、出てこないと、優勝は厳しくなるんじゃないかな」

 ―田中、菊池、丸の3人に求めることは。

 「チームを引っ張る意識を持ってほしい。数字もだけど、中心選手は体調を整えて試合に出ることが一番大事。自覚を持ってやってもらいたい」

 ―打撃コーチは、昨季固定した1〜3番を含めて打順は柔軟にという話だった。

 「昨季残した数字のアドバンテージはある。でも、すべては競争。固執はしないし、怖がらずに新しい形を求める勇気は持ち続けたいね」

 ―鈴木には何を期待するのか。

 「トリプルスリーをやれば記事になるし、頼もしいけど、数字だけを求めてはいない。上位か中軸かわからないけど、こちらが望むポジションで役割を果たしてくれれば」

 ―投手陣からは大黒柱の黒田が抜けた。

 「新しい力が出てきてほしいよね。一番大きいのは数字よりも精神的なもの。投手陣を引っ張る自覚を持った選手。行動なり発言なりで、成長を感じさせる選手が出てくれないかと思う」

 ―期待は野村か。

 「結果で選手に発言を求めても難しいと思う。ある意味、昨季の福井や大瀬良のように、もがき苦しんだ経験の中で行動や言動がしっかりしていれば、成長につながる。そういう選手がどれだけやってくれるか」

 ―黒田が昨季投げた150を超える投球回は福井、大瀬良、岡田らで補う?

 「しっかりゲームをつくれるという観点で起用し、結果や内容を残した選手を使いたい。先発枠も勝ちパターンも競争。大瀬良も先発としてはやってもらうけど、スタミナ、球威、制球が戻っているのか。そこはシビアに見ていかないと」

 ―大卒新人の1位・加藤(慶大)、3位の床田(中部学院大)は、まず先発からになる?

 「そこも見極めだね」

 ―若手に望むことは。

 「(春季キャンプ初日の)2月1日からアピールしてほしい。開幕に合わせるとか、残り5試合でスイッチを入れるとか要らない。昨季も開幕にしっかり入った中で、6月の11連勝につながる形ができた。1日からすべてを出してほしい」

 ―巨人、阪神はかなりの補強をした。

 「ヨソは関係ない。カープの目指す野球をしっかりやっていくだけ」

 ―来季は日本一が期待される。

 「シーズンと短期決戦で、戦い方の違いを感じた。3勝、4勝を勝ち取るための戦略、戦術。自分の中で大きな経験をしたと思うし、選手も感じとってくれたと思う。応援してくれるファンの思いに応えるのがプロ野球選手の宿命。日本一を目指して頑張りたい」

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