早大?プロ?清宮 運命の一年 ドラフト超目玉も気になる進路

[ 2017年1月1日 07:16 ]

高校ラストイヤーを迎えた早実の清宮
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 少年の頃から脚光を浴び、早実入学以降は高校球界を騒がせ続ける清宮幸太郎内野手(2年)が高校ラストイヤーを迎える。昨秋の東京都大会優勝で第89回選抜高校野球大会(3月19日から12日間)の出場を決定的とし、全国制覇を目指して1年夏以来の甲子園に立つ。現在78本の高校通算本塁打はどこまで伸びるか。そして進路は――。2017年は清宮から目が離せない。 (松井 いつき)

 1年夏の甲子園はベスト4だった。昨秋の明治神宮大会は準優勝。決勝で履正社(大阪)に6―11で敗れると、清宮は「勝ちより負けの方が得るものは多い。ベスト4、今回は決勝進出と順調に来ている」と言った。全国の頂点まで、距離は分かっている。「(センバツ出場が)決まれば力でぶつかっていくだけ」と冬の練習に励んでいる。

 早実の全国制覇は春1度、夏1度。夏は06年に斎藤佑樹(現日本ハム)を擁して駒大苫小牧(南北海道)との決勝再試合の末に優勝したのが記憶に新しいが、センバツVは王貞治(現ソフトバンク球団会長)がエースだった1957年までさかのぼる。清宮らには60年ぶりの紫紺の大旗獲得が期待されている。

 大会の最大のライバルは、西の超高校級スラッガー・安田がいる履正社だ。仙台育英(宮城)の長谷川や静岡の池谷は注目の好左腕。福岡大大濠の右腕・三浦は「ミスターゼロ」の異名をとる。昨秋の東京都大会準Vでセンバツ出場の可能性を残す日大三は大砲・金成(かなり)がけん引し、夏の西東京大会でも宿敵として立ちはだかる。

 清宮は昨秋までに高校通算本塁打を78本記録している。のちにプロで4番を張る面々が、3年夏までに記録した本数のランキングに現時点で参入。歴代最多は神港学園(兵庫)の山本大貴(現JR西日本)が持つ107本で、更新を十分狙える。

 16年最後の試合は11月20日の磐城(福島)との招待試合だっ た。77、78号を放 ち、特に左投手の外角高め直球をレフトへ運んだ78号は「逆方向を意識した結果。自信になった」と振り返った。

 開眼のきっかけになったのが都大会の日大三戦だ。勝利の中、左腕から切れ味鋭いスライダーを操る桜井の前に5打席連続三振。映像を何度も見直し、右肩の開きという修正点を見つけた。「ああいう経験は初めてで、自分を成長させてくれた試合。改善点を直すように練習した。ポイントをいくつか気をつければ打てるという、論理的なことができるようになった」。進化した打棒で快音を奏で続ける。

 ここまで清宮が進路に言及したことはない。ただ、早実の選手は早大進学が基本路線でプロの複数のスカウトが「今のところ進学と聞いている」と話す。昨年末のキャンプには2学年上の主将だった早大の加藤雅樹らが訪れ、大学での練習などの助言も受けた。

 一方、プロ志望すればドラフトの目玉となる逸材。昨年12月には進路調査のため複数の球団が学校を訪れており、年明けの練習初日は国内11球団が視察予定。すでに阪神、DeNAなどが指名候補にリストアップしており「1位でなければ獲れない」と話すスカウトもいるほど。こうした高評価は間接的に清宮の耳にも届くはずで、夏以降に行う進路選択の参考になるだろう。

 高校入学から一挙手一投足が注目を集めてきた清宮。今は主将としてチームを日本一に導くことしか頭にない。「自分の結果どうこうより勝ちたい。しっかり勝ちにこだわってみんなを引っ張っていける年にしたい」。誓いを胸に、運命の一年を力強く歩んでいく。

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2017年1月1日のニュース