まさかのドラフト指名漏れ…国学院大・久保田 日本新薬からプロ再挑戦

[ 2016年12月29日 08:41 ]

国学院大から日本新薬入りする久保田
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 今年度の東都大学野球リーグ4年生の進路をまとめた。10月に行われたドラフト会議で、有力候補に挙げられながら指名漏れした国学院大の久保田昌也外野手(22)は、社会人野球・日本新薬へ進む。女手一つで育ててくれた母への恩返しを胸に、2年後のプロ入りを誓った。

 苦労をかけた母・容子さんのためにも、再び夢への一歩を踏み出す。久保田は地元・京都の日本新薬に進む。

 「ドラフトで指名されなかったのは悔しかった。でも周りに気を使わせるのも嫌だった。もう一度ギアを上げて、社会人でも頑張りたい」

 今年は主将を務め、思い切りのいい打撃と高い身体能力が評価され、ドラフト指名は確実とみられていた。しかし、名前は呼ばれなかった。

 母の顔が浮かんだ。朝から夕方まで仕事し、アルバイトも掛け持ちし姉、弟の3人を育ててくれた。弟・悠も龍谷大平安から来春、国学院大に入学する。「お金の面で楽をさせてあげたかった。プロに行きたかった」と振り返る。

 そんな中で4日、母校・龍谷大平安3年生と大学生OBの対抗戦に参加。兄弟対決も実現し「野球は楽しい」と思い出した。容子さんは好物の豚キムチを作って迎えてくれた。日本新薬の寮から実家まで車で20分。「今までより親孝行できるかもしれない」と笑う。

 「もっと魅力のある選手にならないと。社会人でより磨いて、存在感を出していきたい」。家族への思いも背負い、2年後に向かって再出発する。 (松井 いつき)

 ◆久保田 昌也(くぼた・まさや)1994年(平6)5月18日、京都府生まれの22歳。龍谷大平安では夏2度の甲子園に出場。国学院大では1年春にリーグ戦初出場。2年夏に大学日本代表候補にも入った。3年秋にベストナイン受賞。リーグ戦通算88試合313打数79安打5本塁打、打率・252。家族は母、姉、弟。1メートル77、77キロ。右投げ左打ち。

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2016年12月29日のニュース