父は元ロッテコーチ 早大・立花 野球に別れ 銀行マン選んだワケ

[ 2016年12月28日 09:40 ]

早大野球部の部訓を示す立花
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 今年度の東京六大学野球リーグ4年生の進路をまとめた。ロッテや大リーグ・メッツなどでコンディショニングコーチを歴任した立花龍司氏の長男で、早大のクリーンアップを務めた立花玲央内野手(23)は競技を引退。卒業後は銀行員として新たな一歩を踏み出す。

 立花は葛藤の中でバットを置くことを決めた。千葉英和から一浪して早大に入学。ベンチ入りなく3年生を終えた時点では「一般就職しようと決めていた」という。4年春に迎えた開花。持ち前の打力でレギュラーの座をつかみ、全13試合出場で打率・267を記録した。「野球を続けたい」という思いが募った。

 日米201勝の野茂英雄に信頼を寄せられるなど球界に広いコネクションを持つ父・龍司氏からは、社会人で選手を続ける道を勧められた。野球を始めたのは父に学童チームに手を引いて連れていかれたのがきっかけ。人生の岐路で今度も温かい声を掛けてもらった。

 だが、最後の結論は違った。「野球だけで生きていっていいのか」と自問自答した末に「一社会人として頑張ろう」と決意し、就職活動。みずほフィナンシャルグループへの入社が内定した。

 野球をやめる選択肢を一時は残念がった父にも「頑張れ」と励ましを受けた。「下積みが長かったけれど、リーグ戦にも出られた。幸せでした。全国転勤もあるので、いろんな土地で多くの人と関わって人生の経験値を増やしたい」。学生生活を支えてもらった父への感謝を胸に新たな道を歩む。 (松井 いつき)

 ◆立花 玲央(たちばな・れお)1993年(平5)7月4日、大阪府生まれの23歳。小1から野球を始める。千葉英和では1年春からレギュラー。早大2年春の新人戦3位決定戦でサヨナラ打。リーグ戦通算21試合出場、63打数13安打、打率・206。1メートル85、80キロ。右投げ左打ち。

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2016年12月28日のニュース