阪神・藤浪 球団にサプリメント導入を提案「あれば意識も変わる」

[ 2016年12月28日 05:30 ]

プロ入り後初のダウンで契約を更改し会見する藤浪
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 阪神・藤浪晋太郎投手(22)が27日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1000万円ダウンの年俸1億6000万円(金額は推定)でサイン。球団にサプリメントの導入を提案したことを明かし、球団側からは検討する方針を示された。逆襲を期す来季に向けては「200イニング登板」を目標に掲げた。阪神は全選手の来季契約更改が終了した。

 プロ入り後初めて2桁勝利を逃したが、チームの中心であり、投手陣の柱であることは変わらない。その自覚と責任感が、藤浪を動かした。チームの大トリを務めた契約更改。交渉の場で提言したのは、クラブハウス内への“サプリ・バー”設置だった。

 「(サプリメントが)なくても、プロの選手として自分で用意して飲むべきですけど、あると、やっぱり意識が変わると思う。そういう意味で、あった方がいいですねという話はさせてもらいました」

 1日から前日26日まで参加していたダルビッシュらとの合同自主トレで「休養」と「栄養」の重要性を学んだ。使用していた施設『ドームアスリートハウス』には、さまざまなDNSのサプリメントが常備されていたという。これまでも食事や睡眠には気を使ってきたが、ダルビッシュはレンジャーズのチームメートから「サプリメントオタク」と表現されるほど強いこだわりを持つ。そんな男から飛び出す知識や情報は、まさに金言の連続だった。

 だから、自身のレベルアップだけで終わらせるつもりはない。ほかにも糸井や日本ハム・大谷ら超一流と共に汗を流して得た知識を、チーム全体に還元する考え。「ダル・サプリ」の導入を提案したのもそのためだ。高野球団本部長も「取り入れるべきところは取り入れていく。検討材料の一つにしたい」と採用する可能性を示唆。スムーズに事が運べば「猛虎のダル化計画」は一層、現実味を帯びてくる。

 「200近く、それ以上投げるということが目標です。30登板で毎試合7回投げたとしたら、210回。30登板というのは例年ない(キャリアハイの昨季で28登板)ので、それ以上に投げないといけない。7回は最低でも投げていかないと、と思っています」

 プロ入り後初のダウン提示を受けた契約更改後の会見では、来季の目標をイニング増に定めた。今季は昨季に比べて30イニング少ない169イニング。より具体的なプランを掲げた部分にも、強い決意が見て取れる。

 「金額に関しては、(来年は)文句の付けようがないぐらいポンッと上げてもらえるような活躍をできればと思っています。今シーズンは4位という成績だったので、優勝を目指して、少しでも力になれるようにがんばっていきたいと思います」。会見中は白い歯は一切見せず、淡々と言葉をつないだ。その目の奥には静かな闘志が宿っていた。 (巻木 周平)

 ▽DNS 米国のスポーツ用品メーカー「アンダーアーマー」の日本総代理店を務めるドーム社が販売するサプリメントのブランド。プロテインやビタミン類など食事では補いにくいものから、パフォーマンス能力の向上をサポートする亜鉛、クレアチンのようなものまで、飲みやすさにもこだわっている。ソフトバンクの松田、柳田をはじめ、ソフトボールの上野由岐子、ラグビーの山田章仁ら愛用者も多い。

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