デスパ、ソフト入り決定的 3年12億円大型契約用意

[ 2016年12月20日 06:30 ]

今季ロッテでプレーしたデスパイネ
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 ソフトバンクが、今季ロッテでプレーしたアルフレド・デスパイネ外野手(30)を獲得することが19日、決定的となった。この日までに同選手とロッテとの残留交渉が決裂。ソフトバンクは来季に向けて最重要課題の長距離打者の獲得を目指し、早くから水面下で今季24本塁打を記録したデスパイネの調査を進め、3年契約、総額12億円の条件提示を用意する準備を整えてきた。中日など国内他球団も獲得に興味を示してきたが、資金力の豊富さからも「ソフトバンク・デスパイネ」の誕生は確実な情勢だ。

 一足早いクリスマスプレゼントとでも言うべき朗報が、ソフトバンクに飛び込んできた。この日、ロッテの林信平球団本部長が今季で2年契約が終了したデスパイネとの再契約について「残念だが、断念せざるを得ない。条件面について検討したが、厳しい」と、残留交渉を打ち切ったことを明らかにした。

 デスパイネのロッテ退団が確実となったことで、獲得に向けた調査を続けてきたソフトバンクは絶対的優位な状況となった。ロッテは交渉窓口であるキューバ政府の要求額との差を埋められず決裂となったが、資金力で勝るソフトバンクはすでに3年12億円の大型契約を用意。デスパイネがロッテの保留者名簿から外れ次第、即アタックを開始する。

 ソフトバンクは今季リーグトップの637得点を挙げたが、本塁打数は昨季の141本塁打から114本塁打(リーグ3位)に激減。昨季に31本塁打した李大浩(イデホ)(マリナーズからFA)の穴を埋められずに終わった。デスパイネは来日3年目の今季、打率・280、24本塁打、92打点をマークしただけでなく、対ソフトバンク戦は対戦チーム別最多の10本塁打。しかも、ヤフオクドームで8本塁打は、球場別でも本拠・QVCマリン(現ZOZOマリン)をしのぐ最多本数と相性は抜群。CSファーストS(ヤフオクドーム)でも2本塁打を放った。ソフトバンクにとっては「天敵」が「味方」になるのだから、何とも頼もしい。

 ロッテがデスパイネの残留を断念したことを受け、ソフトバンク・王貞治球団会長は「正式にはっきりしないとだけど、入ってくれると大きいよね」と合意に期待を寄せ、「戦力は問題ない。あとはどう(勝利に)つなげるか。工藤監督のもと、前向きに強気になって突き進んでいきたい」と語った。

 ソフトバンクは既に今オフ、マイナー通算178本塁打で、今季はダイヤモンドバックスに所属したカイル・ジェンセン内野手(28)を獲得。簑原孝宏球団統括本部副本部長は「(交渉の)フライングにならないように手続きをしっかりしないと」と前置きした上で、「デスパイネを獲得できれば、彼(ジェンセン)が控えになるとしても大きい」とした。リーグ優勝、そして日本一奪還を目指す来季に向けて、デスパイネの加入で超強力打線が完成する。 

 ◆アルフレド・デスパイネ 1986年6月17日生まれ、キューバ出身の30歳。キューバ代表の中心選手として08年北京五輪で銀メダルを獲得。09、13年WBCに出場し13年は大会最多タイの3本塁打。キューバ国内リーグで3度の本塁打王を獲得。14年7月にロッテに入団した。1メートル75、95キロ。右投げ右打ち。

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2016年12月20日のニュース