兄は広島・田中 日立・俊太 初ベストナイン「いつか兄と一緒に」

[ 2016年12月16日 05:30 ]

社会人野球表彰授賞式

ミス日本グランプリ・松野未佳さんと写真に収まる日立製作所・田中
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 2016年度社会人野球表彰(主催・日本野球連盟、共催・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社、協賛・シチズン時計)の授賞式が15日、東京都千代田区のKKRホテル東京で行われた。ベストナイン二塁手部門は日立製作所・田中俊太内野手(23)が初受賞。来秋ドラフト候補に挙がり、広島でプレーする兄の田中広輔内野手(27)に続くプロ入りを誓った。フェアプレー賞にトヨタ自動車が選ばれ、W杯5連覇の侍ジャパン女子代表が日本野球連盟特別表彰を受けた。

 また一歩、兄に近づいた。田中は年間打率・364と安定した打撃を見せ、伝統の社会人野球ベストナインを受賞。誇らしげに記念盾を抱えて「1年目に受賞できて、とても光栄。試合に出続けようとやってきた結果がここにつながったと思う」と喜びを語った。

 4歳上の長兄・広輔は今年、広島のリードオフマンとしてリーグ優勝に貢献。田中の野球人生はずっと、背中を追い続けている。東海大相模−東海大と進み、大学では日本代表入り。社会人1年目でのベストナイン選出も同じ(広輔はJR東日本で12年遊撃手部門を受賞)道をたどった。

 大学4年時にプロ志望届を提出したが、ドラフトで指名漏れ。「悔しくて、応援してくれた人たちにも申し訳なかった」。気持ちを切り替えられない中、日立製作所入りが決まると長兄から「野球できることに感謝して、後はやるだけだよ」と励まされた。「僕は拾ってもらった立場。やるしかないと思った」。1番打者を任され、都市対抗では・381の高打率で同社初の決勝進出と準優勝に貢献。広輔同様に若獅子賞(新人賞)を手にした。

 来秋ドラフト候補にも挙がるが、満足することはない。「兄には正直、何も勝ってない。でも先に兄のような人がいるから、追い続けていけば同じ舞台に行けるんじゃないかと思う」。勝負の来季へ、守備走塁の向上を掲げる。「スピード感を見せたい。いつか兄と一緒にプレーしたい」。夢を追って力強く走り続ける。 (松井 いつき)

 ▼広島・田中 おめでとう。来年が勝負だと思うので、またこの賞を獲れるように努力して頑張ってほしい。

 ?田中 俊太(たなか・しゅんた)1993年(平5)8月13日、神奈川県生まれの23歳。小1でソフトボールを始める。小4から中学までボーイズリーグの相模原ホワイトイーグルスに所属。東海大相模では甲子園で2年夏に準優勝、3年春に優勝を経験した。東海大では2年春からベンチ入りし、3年春の全日本大学選手権優勝。家族は両親と姉、兄2人、妹。1メートル78、80キロ。右投げ左打ち。

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