松坂、ノーワインドアップで変身 代名詞捨て5回1失点「きっかけを」

[ 2016年12月15日 07:15 ]

プエルトリコ・ウインターリーグ   カロリナ0―1カグアス ( 2016年12月13日    カロリナ )

カロリナの一員として先発し、5回を3安打1失点と好投したソフトバンクの松坂
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 右肩手術からの完全復活を目指すソフトバンクの松坂大輔投手(36)が13日(日本時間14日)、プエルトリコのウインターリーグ(WL)でカロリナの一員としてカグアス戦に先発。WLで試しているノーワインドアップやツーシーム主体の投球で5回を3安打1失点と好投した。ソフトバンク入りから2年間、未勝利に終わった36歳右腕が異国の地で新たなスタイルを模索している。

 何かを変えないと。松坂は復活を目指して乗り込んだプエルトリコの地で、代名詞であるワインドアップ投法を捨てた。日米通算18年のプロ生活で本格派を自負してきたが「何かを変えようとするときは、思い切って変えることが必要」と決断。ノーワインドアップから第1球を投げ込んだ。

 投球スタイルも打者の手元で微妙に動くツーシーム主体に変えた。WL初先発となった前回3日の同じカグアス戦では「7〜8割」がツーシーム。この日も全77球中39球で50・6%を占めた。初回1死一、二塁では4番カスティーヨを内角ツーシームで三ゴロ併殺に仕留め、ピンチを切り抜けた。この日の直球の最速は90マイル(約145キロ)で、ツーシームは平均86マイル(約138キロ)。5回を3安打1失点に抑え「ツーシームは良かった。理想は速くて動く球ですけど、140キロ前後で構わない」。前回は4回6四球と制球が乱れたが、この日は5回2四球。ストライク率も47%から58%まで上昇させた。

 これまで振りかぶるワインドアップで反動をつけ、150キロを超える剛速球を投げ込んできた。だが、剛速球はもう投げられない。球速を追い求めるのではなく、コンスタントにストライクゾーンに投げ込む。その「入り口」がノーワインドアップ。「ちょっとだけやったことはあったかもしれないが、1試合を通してやったことはなかった。うまく変われるきっかけをつかめれば」。ホテル暮らしの生活で毎夜欠かさないのが、ノーワインドアップ投法の大リーガーの動画チェックで「映像で自分のイメージに合う投手を探して、試合で試している」と言う。

 37歳で迎える来季。かつて「平成の怪物」と呼ばれた男は、残り2試合となった先発機会で復活への足がかりをつかむ。(カロリナ・笹田 幸嗣通信員)

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