王氏 恩師・荒川さんに別れ 愛弟子・黒江氏は涙の弔辞

[ 2016年12月12日 05:30 ]

荒川氏の棺にTボールのボールを手向ける王氏
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 巨人の元打撃コーチで、4日に心不全のため86歳で死去した荒川博(あらかわ・ひろし)氏の告別式が11日、東京都中野区の宝仙寺で営まれ、約300人が参列した。

 葬儀委員長のソフトバンク・王貞治球団会長(76)は、出棺を前に「荒川さんは大変強烈な個性の持ち主で、大変な自信家。人間的な魅力が多くの人とのご縁をつなげてきたと思う」とあいさつ。参列者の涙を誘った。

 一本足打法で通算868本塁打を放った「世界の王」の生みの親。今年11月20日の巨人―台湾OB戦の際には、王氏がフルスイングして思わず転倒。荒川氏は「俺は転び方は教えていない」と大笑いしていたという。それからわずか半月での訃報。王氏は「打撃の奥義をつかむべくともに練習に励んだ」と故人と歩んだ日々に思いをはせた。

 葬儀では巨人のV9時代に活躍し、荒川氏の愛弟子だった黒江透修氏(77)が弔辞を読んで当時のエピソードを披露。バットを振り込むあまりに指から血がしたたり落ちたが「なあクロ、指が一本ぐらいなくなっても(野球が)うまくなったらいいよな」と言われたという。黒江氏は「荒川さんの跡取りとして、命ある限り頑張っていきたい」と涙をにじませた。 (鈴木 勝巳)

 ◆主な参列者 王貞治、黒江透修、末次利光(以上巨人OB)、内田順三(巨人巡回コーチ)、山室寛之(元巨人球団代表)、衣笠剛(ヤクルト球団社長兼オーナー代行)、角富士夫(ヤクルト編成部)、谷沢健一(元中日)、上田桃子(プロゴルファー)、深沢弘(元ニッポン放送アナウンサー) =順不同、敬称略=

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