田沢 WBC出場に前向き「野球人生のプラスになる」

[ 2016年12月10日 05:30 ]

前田(左)と田沢はグラブについて話し合う
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 レッドソックスからFAとなった田沢純一投手(30)が9日、大阪市内のミズノ本社で行われた「ミズノ ブランド アンバサダーズ ミーティング」に出席。来年3月のWBCへの参加に前向きな姿勢を示した。新たな所属先との調整が必要だが、同大会の代表1次登録メンバーに入っている。カブスと契約合意した上原浩治投手(41)との世界一コンビが侍ジャパンの勝利の方程式を担う可能性が出てきた。

 田沢はクラフトマンとグラブ、スパイクの綿密な意見交換を終え、来春に控えるWBCについて静かに口を開いた。

 「リストに上がっていることは光栄なことだと思います。(代表は)社会人の時に1回ありますが、そんなに投げているわけではない。野球人生において、プラスになると思います。(正式に)選ばれてから考えたい」

 社会人野球から日本プロ球界を経ずに08年12月にレッドソックス入りした田沢は、これまで侍ジャパンとは無縁だった。だが、今回は違う。8月に小久保監督からボストンで激励を受け、WBCの1次登録メンバー50人の中にも名を連ねた。その時にも小久保監督は「(課題は)救援投手。権藤投手コーチとの話でも、一番の重要ポイント。必要だと思っている」と話していた。

 田沢は「僕だけで(参加を)決められることではない。球団もまだ決まっていないですし、相談してからになる」と話した。マーリンズなど複数球団が興味を示していると言われるが、所属先決定とその時期がポイントとなりそうだ。

 この日、レ軍で同僚だった上原がカブスと合意したことには「本当にいい球団に行かれたと思います。おめでとうございます」と話した。上原は所属先が定まったことで、守護神としての侍ジャパン入りが濃厚だ。田沢も仮に参加できるとすれば、13年にレ軍を世界一へと導いた「セットアッパー田沢、クローザー上原」の勝利の方程式が代表でも完成する。

 11月からウエートトレーニングを中心に体を動かしており、来年1月には沖縄で自主トレを行う予定だ。「今年は(肩の)ケガもしたことを踏まえ、来年1シーズンを投げられる準備をしたい」。メジャー通算302試合登板の実績は、世界一奪回を期す侍ジャパンに欠かせないものとなるはずだ。 (倉橋 憲史)

 ◆田沢 純一(たざわ・じゅんいち)1986年(昭61)6月6日、神奈川県横浜市生まれの30歳。横浜商大高から新日本石油ENEOSに進み、08年夏の都市対抗で橋戸賞を受賞。日本プロ野球を経ずに09年からレッドソックスに所属し、今オフFAとなった。メジャー通算302試合で17勝20敗4セーブ、防御率3・58。1メートル80、91キロ。右投げ右打ち。今季年俸は337万5000ドル(約3億8500万円)。

 ≪13年は海外組0≫日本人大リーガーは06年の第1回大会はイチロー(マリナーズ)と抑えの大塚(レンジャーズ)が出場し、優勝に大きく貢献。09年の第2回大会は松坂(レッドソックス)、城島(マリナーズ)、岩村(レイズ)、福留(カブス)、イチロー(マリナーズ)と最多5人が参戦して連覇に導いた。ただ13年の第3回大会は一人も出場せず、チームも準決勝で敗退した。

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