大谷は被害者 大物代理人がMLB批判、新協定は「ベルリンの壁」

[ 2016年12月9日 06:30 ]

ウインター・ミーティング中の囲み取材に応じる大物代理人のボラス氏
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 早ければ18年シーズンからのメジャー移籍を容認された日本ハム・大谷翔平投手(22)が、大リーグ機構(MLB)の新労使協定により契約金が著しく制限されることについて、7日(日本時間8日)に米球界関係者からも疑問と怒りの声が相次いだ。らつ腕代理人のスコット・ボラス氏(64)はウインターミーティング会場で「ベルリンの壁」だと批判。大谷に同情を寄せ、移籍を阻むMLBの態勢を批判した。

 ご意見番としても知られるボラス氏の舌鋒(ぜっぽう)は鋭かった。11月30日にオーナー側と選手会側で合意した大リーグの新労使協定。海外選手獲得に伴う年齢制限を「大谷にも適用する」としたMLBの見解を厳しく批判した。

 「これでは才能ある中南米のアスリートは、野球ではなくサッカーを選ぶだろう。100億ドル(約1兆1400億円)の収入があるというのに、なぜ若者たちに“ベルリンの壁”を築くのか」

 新協定では海外選手獲得に伴う総契約金が最大575万ドル(約6億5600万円)に規定され、適用年齢が23歳未満から、25歳未満へ引き上げられた。日本野球機構(NPB)所属選手は日米間で「選手契約に関する協定」があるため適用外とみられたが、6日にMLBのダン・ハーレム法規部長が全30球団の国際スカウト部長に説明。「大谷を特例にすることはない。日本とキューバの選手で差別はできない」と通達していた。

 大谷がメジャー移籍する際の市場価値は総額2億ドル(約228億円)以上とみられていたが、契約金575万ドルに制限され、さらにマイナー契約からのスタートになる。「大谷はとてもレベルの高い選手で、メジャーに大きなインパクトを与えられる」とボラス氏。代理人なら誰もがエージェント契約を望む日本の至宝を評価した上で、「新労使協定では世界最高のアスリートは手に入れられない。世界の偉大なアスリートがここに来られないよう、プレーできないようにしている」と批判の手を緩めなかった。

 他にも、現場を預かる指揮官たちからは連日の公開ラブコールが飛ぶ。元日本ハムのパドレスのアンディ・グリーン監督は「地球上で誰にもひけを取らない選手」と絶賛。アスレチックスのボブ・メルビン監督は「投打の両方で活躍できるなんてリック・アンキール(00年代に投手として活躍し、後に野手へ転向)以来かな。プレーする姿を見ていて本当に楽しい」と上陸を待ちわびた。

 規則変更はキューバ選手の獲得競争による契約金高騰の抑制が狙いで、大谷を対象としたものではなかった。MLBの通達に、その場で戸惑いを示した球団幹部もいたという。大リーグ公式サイトのマーク・バウマン記者は「間違いなく大谷が被害者だ」と口にする。ネット上では野球ファンの米国人によるMLB非難の書き込みが多く見られる。「OHTANI」が18年から見たい――。大ブーイングが湧き起こった。

 ≪昨年9月に日本ハム球団事務所を表敬訪問≫ボラス氏は、ロドリゲス(元ヤンキース)、松坂(元レッドソックス)らの数々の巨額契約に携わってきた敏腕代理人として知られる。交渉期限ぎりぎりまで粘って駆け引きする手法で、松坂が西武からレッドソックスへポスティング移籍する際には交渉期限直前に一時決裂。期限3分前に松坂が同氏を説得して入団にこぎつけたこともある。昨年9月には来日して日本ハムの球団事務所も表敬訪問した。

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