和田4億円サインも珍要求 裏方さんの交通費出して

[ 2016年12月8日 05:30 ]

契約更改を終えポーズを取る和田
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 今季15勝5敗で最多勝、勝率第1位の2冠を獲得したソフトバンク・和田が7日、ヤフオクドームで契約交渉し、現状維持の年俸4億円でサインした。今季からの3年契約を結んでおり、出来高もほぼ満額で獲得。金銭面の駆け引きはなかったが、珍要求があった。

 「裏方さんと話すと筑後の交通費の話題になる。遠いし、高速代、ガソリン代もかかる。全部とはいかなくとも何か策はないかと感じました」

 今年3月に福岡県筑後市にオープンしたファーム施設では2、3軍とリハビリ組のスタッフが働く。1年目のみ支度金50万円が支給され、交通費は出ない。裏方の大半は福岡市内で暮らし、ヤフオクドームからは自動車で往復約126キロ。高速代3600円にガソリン代が加わる。車を断念し、最寄りの筑後船小屋駅がある九州新幹線さえも使わずに在来線で通うスタッフも少なくない。

 年明けに筑後で自主トレを予定する和田にとっても人ごとではない。「12、1月は管轄外(1軍)の方にもお手伝いしてもらう。気持ちよくやってほしい」。気心の知れた1軍の裏方は支度金も手にしていない。筑後での手伝いは完全な「自腹」通勤を強いられる。

 直訴を受けた三笠杉彦球団統括本部副本部長は「ご意見は聞いて検討する」と明言を避けたが、和田は「考えていると言っていただきました。安心した」と待遇改善に手応え十分の様子。この男、気配り、目配りができるのはマウンドだけではない。(福浦 健太郎)

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2016年12月8日のニュース