評価=年俸の“夢”奪う「対キューバ対策」とばっちりが大谷に…

[ 2016年12月8日 05:46 ]

大谷 来オフ渡米ならマイナー契約

打撃フォームを確認する大谷
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 【記者の目】大リーグにおける海外選手獲得の制限は、主にキューバ選手と違反覚悟での契約が相次ぎ、マネーゲームに発展したことへの抑制と、資金力に格差がある球団間の戦力均衡を図ることが目的だ。大谷の来オフのメジャー移籍を想定したわけでなく、適用対象内に入ってしまった大谷は、とばっちりを受けたといえる。

 労使間の協定は独占禁止法の適用外である。法律違反とはならず、まして他国の野球組織が口出しすることもできない。ただ、キューバは米国と国交断絶が長く、移籍の取り決めなどなかった。日本は移籍のルール整備がされている。歴史的な背景も、制度も異なる両国を同列に並べることに違和感は拭えない。

 メジャー球団と選手の契約は厳格にMLBに管理されている。米球団との交渉でも2年目以降の契約に関する口裏合わせは事実上できない。方法論としては、シーズン途中に2年目以降の契約を新たに結ぶことだろうが、釈然とはしない。これにより25歳未満の選手のポスティング移籍が減るとの見方もできる一方で「お金は関係ない」と夢を優先する選手もいるだろう。大谷もその一人だと思うが、規格外のスケールを持つ大谷の「評価=年俸」がルールによって制限されることは何とも歯がゆい。(プロ野球担当キャップ・倉橋 憲史)

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2016年12月8日のニュース